それではベンチマークの結果を見ていこう。現行のATI Radeonのパフォーマンスクラスで人気も非常に高い「ATI Radeon HD 4850」との比較からは、最新ラインナップにおける"立ち位置"を。そしてHD 4800シリーズに置き換えられた前世代である「ATI Radeon HD 3850」との比較からは、世代交代による"進化の度合い"を確認いただければと思う。

3DMark Vantage (Build 1.0.1)

まずは3DMark Vantageだ。ドライバとの相性なのか、用意したRadeon HD 3850でどう頑張っても1680×1050ドットの解像度が出せなかったので、Highのプロファイルを実行できず、PerformanceとExtremeのみ計測している。

Feature Testの結果も見ておこう。各テスト項目の詳細については、こちらの記事などで確認いただきたい。

LOST PLANET EXTREME CONDITION

実際のゲームタイトルではどうだろうか。ということで、LOST PLANET EXTREME CONDITIONで、DirectX 9版とDirectX 10版のベンチマークソフトの結果だ。設定は解像度が1280×720ドット、アンチエイリアス無し、4x異方性フィルタリングといったもの。

消費電力

最後に消費電力だ。いつもの様に「ワットチェッカー」でシステム単位の消費電力を計測している。IdleはOS起動後の何もしていない状態で、Loadは3DMark VantageのGame test1/2実行中のピーク消費電力となっている。

メインストリームの優等生GPU

さて、このATI Radeon HD 4670。各ベンチマークのスコアで言えば、やはりHD 4850との差は大きいものの、絶対値としてのスコアは非常に高い。得手不得手の傾向は少し違いがある様だが、対HD 3850では肉薄している。安価なメインストリームGPUながら、前世代の上位GPUに準ずる性能と言える。しかも前世代といってもHD 3850はそれほど古いGPUではないわけで、これは非常に好印象だ。

TDPは59Wとのことだが、消費電力の低さも特筆ものだ。特にアイドリング時の消費電力が非常に低く、HD 4670は必ずしもゲームをがっつり楽しむ層が購入するGPUではないだろうから、下限の消費電力は低いにこしたことは無いと考える。いざゲーム、となってもHD 3850に迫る性能を搾り出せるわけで、価格も含め満足できるユーザーの幅広さでいえば、HD 4800シリーズ以上なのではないだろうか。メインストリーム向けGPUとしては、極めて"優等生"な製品が登場してきたと言える。