自身の恋愛観から俯瞰する「メグミ」という女性

――奥菜さん自身の恋愛観や体験談を踏まえて、この役に対して共感できる部分と、逆に「これは違うかな」という部分はありますか?

奥菜「思いを裏切られることは、メグミにとってものすごくショックなことだっただろうし、死に追い込まれても不思議ではないのかもしれません。でも共感できるようでできない部分もありました。そこまで相手のことを思えるって女性として理解できる部分でもありますが、その反面、自分の命までも追い込んでしまうほど盲目的な愛し方になってしまうのは、ある意味怖いことでもあるなと思いました。この映画を見て泣いてしまった方もいらっしゃるみたいで、彼女が抱えている悲しみがちょっとでも伝わったのかなと、すごくうれしかったです」

――今回の撮影で監督にもらったアドバイスなどはありますか?

奥菜「もともとセリフがあったところで、その言葉を発することによってどうしても生身の人間みたいになって違和感が生まれました。彼女の抱えている想いが単純なものではなかっただけに、あえて言葉を発しない表現の方が自分の中ではしっくりきたし、現場で監督と相談しながら、言葉だけに頼らない表現を大切にしました」

――こういった役は、ラブストーリーなどよりも精神的にくるものがありますか?

奥菜「そうですね、苦しくて仕方がなかったです。すぐに切り替えられない方なので、普段でも役の口調がそのまま移っていたりします(笑)」

幸せそうなメグミ。彼女に一体何があったのか…

――今回出演されて、得たものってなんでしょう?

奥菜「今回はアメリカの俳優さんとお芝居するという初めての経験で、相手の目の動きや相手が発する空気をキャッチするとか、言葉の壁を超えたコミュニケーションがすごく楽しかったです。言葉はもちろん大事なんですけど、今回は特に気持ちの部分をきちんと丁寧に作っていきました」

――今後、挑戦してみたい役はありますか?

奥菜「挑戦したい役というよりも、出会って初めて自分の中の引出しが開かれることもあるので、枠を決めず世界を広げたいですね」

――今後の海外とのコラボに関して教えてください

奥菜「機会があればどんどん自分の可能性を広げていくのもアリだと思いますが、特に向こうを目指してという意識はありません。マイペースに自分が信じる道を一生懸命行きたいですね」

若干緊張した様子を見せながらも、終始笑顔でインタビューに答えてくれた奥菜恵。本人はハリウッドへのこだわりはなくマイペースに女優業をやっていきたいと語るが、『シャッター』はすでに全米で初登場トップ3に入るヒットを記録している。となれば、むしろハリウッドの方が彼女を放っておかないはずだ。鮮烈なハリウッド・デビューを飾った奥菜恵から、今後も目が離せない。

カメラマンの言葉に思わずニッコリ

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