2010年は6/12コア
2010年には12コアのMagny-Coursと6コアのSan-Pauloが投入される。この2010年の世代でメモリはDDR3に移行を行う形だ。ちなみにメモリチャネルは4本との話であった。この4chは、例えば2chに集約してChip Killを有効にすることも出来、またChip Killを使わずに4chのまま使うことも出来るとしている。
この4chについてはちょっと面白い議論もあった。現在のHPCのマーケットにおいては、概ね1GB/Coreのメモリ容量が必要とされる。つまりQuad Coreなら4~8GBといったところで、これは1GBのDIMMを4本装着するという形で対応できる。これが2010年になるとどうか? というと、概ね2GB/core程度になるだろうとFruehe氏は予測している。従ってMagny-Coursの場合は24GBほどが必要になる計算で、4chとして6GB/channelである。ただこれは4GB DIMMを2本装着すればお釣りが来る程度であるという見通しだった。
問題はアーキテクチャの違いがあるか? であるが、「SSE5はMagny-Cours世代でサポートされるの?」と聞いたところ「今の時点ではそれには答えられない。正直なところ、いつの世代でSSE5をサポートするのかはまだ公開できない」というお答えが。SSE5はBulldozerコアで導入される予定だったわけだが、そのBulldozerコアの開発そのものがどうなっているのかを含めて、色々仕切りなおしの真っ最中という雰囲気であった。AMDは断言してはいないものの、Magny-Cours/San-PauloはBarcelonaの延長にあるコア、と考えたほうが良さそうだ。
というわけで
非常に簡単だがAMDのレポートである。相次ぐ幹部の退職や売り上げの悪化など、このところ悪いニュースが続く(唯一の救いは、ATI Divisionの売り上げが好調なことか)AMDであるが、ロードマップもそれを反映したものになっているのはちょっと悲しい感じだ。ただ個人的にはBarcelonaのコアそのものはそう悪くない(消費電力と発熱が解決できれば、という但し書き付ではあるが)と思っており、これがプロセス変更で改善できれば、Nehalem世代と戦う事も不可能ではない、と思っている。
今年から来年にかけ、Intelはプラットフォームの大変更が必要になるわけで、そこにプラットフォームコンパチブルで性能と消費電力を改善したShanghaiが本当にリリースできれば、まだ失地回復の余地はあると個人的には考えている。
だからこそ、本当に2008年第4四半期にShanghaiがリリースできるかどうか、が重要なポイントになるわけで、まずはこれが予定通り出てくるかに注目したいところだ。