さて、パワードスーツのおかげでなんとかテロリストのアジトからの脱出に成功したトニー・スタークは、スターク・インダストリーズ社内において、より性能の高い新型パワードスーツの開発に取り組むことになる。トニー・スターク専用開発室には、ロボットハンドをはじめ、最先端のIT機器がずらりと揃っている。机の上には、アップルの液晶ディスプレイが2つあり、アップルキーボードも載っている。キーボードの手前には、投写型キーボードのようなデバイスがあり、主にこちらのキーボードを使って操作するシーンが多かった。
さらに、同社のCEO室には、デルの最新型液晶一体型パソコンが置かれており、ストーリーの展開上、重要な役割を果たす。また、トニー・スタークの秘書であり、本作のヒロインでもあるペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロー)は、レノボのThinkPadを使っている。このように、テロリスト側と、スターク・インダストリーズ側に登場するIT機器の対比が面白い。
3Dを駆使した次世代インタフェースに萌え!
さらに、新型パワードスーツの開発過程で用いられていた、3Dを駆使した次世代インタフェースも必見だ。百聞は一見にしかずという感じなので、言葉で説明するのは難しいが、空中に浮かび上がった3Dワイヤーフレームの映像を手で直接触って動かしたり(手に特別なものは付けていない)、つまんでゴミ箱(これも3D映像)に移動させることで、削除したりしているのだ。腕をその3D映像の中に差し込むと、腕の形にあわせて、3D映像が腕をぴったりカバーする形状に変形して、腕を覆うシーンも見どころだ。このあたりは、最近流行のAugmented Reality(オーギュメント・リアリティ、拡張現実と訳される)っぽい感じで、ハイテク好きな私が「おおっ!」と感動したシーンだ。おそらく、ホログラフィなどを利用した3Dディスプレイと3Dスキャナを一体にしたような機器を用いているのだろうが、この3Dインタフェースは、非常に先進的かつ直感的であり、パソコンマニアならずとも是非注目したい。
映画に出てきた先進的なインタフェースとしては、『マイノリティ・リポート』で、主人公が使っていたグローブ型インタフェースも斬新で未来を感じさせたが、アイアンマンの次世代インタフェースのかっこよさはそれを格段に上回り、何より便利そうだ。実際に、こうした3Dディスプレイや3Dスキャナの研究も進められている。本作に登場したレベルまでには至っていないが、10年後には、こうした3Dインタフェースが一般に普及している可能性もある。
また、冒頭でトニー・スタークの超高級邸宅が登場するが、このリビングルームで使われているインタフェースも、3Dインタフェースほど斬新ではないものの、なかなか便利そうだ。
このように、アイアンマンは、随所にこだわって作られており、パソコンマニア的な視点から見ても、十二分に楽しむことができる映画だ。今まで、アイアンマンを全く知らなかったという人でも、パソコンやハイテク、ロボットなどに興味があるのなら、是非見に行くことをお勧めしたい。きっと満足できるだろう。私も公開されたら、もう一度見に行こうと思っている。
『アイアンマン』は9月27日より日劇3ほかにて全国ロードショー!
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