「MIDI信号を受けてポート制御するプラットホームデバイス」として、"かなで"の仕様を図5のように決めた。

図5: "かなで"ブロック図

  • 使用マイコンはCypressの8ビットマイコン「PSoC CY8C29466」
  • 駆動電源電圧は5V
  • マイコンのファームウェアを書き込むためのISPコネクタ
  • 16chあるMIDI信号のうち、どのチャンネルを受け取るかを指定するディップスイッチ
  • 内部状態をリセットするためのタクトスイッチ
  • MIDI-INはフォトカプラで受ける
  • ディジーチェーンのためにMIDI-THRUを用意
  • 出力コネクタは3種類、8bitポリ出力(図6)、7bit+Triggerモノ出力(図7)、モノ音声出力(図8)
  • 7bit+Triggerモノ出力、モノ音声出力はオプション設定で別モード設定可能
  • 出力はマイコンのI/O直結なためドライブ能力(電流)は高くない

図6: 8bitポリ出力の概要

図7: 7bit+Triggerモノ出力の概要

図8: モノ音声出力の概要

回路の設計と試作

仕様を元に回路図をひいたものを図9に示す。

図9: "かなで"回路図

PSoCは、内部でプルダウンが設定できることもあり簡素な構成となっている。これなら自分でも作れそうだと思っていただければ幸いである。使用する部品は図10A図10Eの通り。

図10A: マイコン、ICソケット

図10B: タクトスイッチ、フォトカプラ、ディップスイッチ

図10C: 抵抗

図10D: ピンヘッダ

図10E: ピンコネクタ

この回路図を元にユニバーサル基板で作成したプロトタイプが図11のものである。

図11: ユニバーサル基板で作成したプロトタイプ

作成中、設計ミスに気が付いて修正をしたり、ファームウェアを書きながら動作しないところを修正したりといった試行錯誤を繰り返しているため、あまりきれいではないあたりはご容赦願いたい。もっとも、そういった不具合を見つけて修正するためのプロトタイプなので、その役割を十分に果たしてくれているともいえる。