9000万個のGPUがPhysX対応、物理アクセラレーション開花へ
NVIDIAのGPU市場がCUDA普及を後押ししているのが現状だが、その一方でCUDAが今後GeForceをプログラマブル・グラフィックスへと進化するための土台になる。現時点で、その代表と言えるのが物理演算の「PhysX」だ。12日にCUDA互換のGeForceをPhysXに対応させるドライバがリリースされ、多くのGeForceユーザーがそのままPhysX対応ゲームを楽しめるようになった。
ゲーマーを中心に、これまでにも物理アクセラレーションは注目されていたものの、新たに専用カードを多くのユーザーに買わせるほどのインパクトではなかった。ただし、3Dグラフィックスのテクニックやトリックが向上し、リアルな表現が可能になった今でも、物理的に違和感のある動きに出くわすことが少なくない。「ゲーム開発者は一部のみを修正するか、無視しているの現状である」とManju Hegde氏(VP、PhysX Solutions)。物理アクセラレーションによって、3Dグラフィックスに方向や動き、インタラクションが持ち込まれる。自然な物理表現によって"周囲を見回せる"だけではなく、"周囲を感じられる"ようになるという。同氏はソフトボディや流体、クロスなどのシミュレーションを見せた上で、これらの機能がCUDAを通じて広くGeForceユーザーに提供されることで、ゲームコンピューティングが新たな開拓地に足を踏み入れるとアピールした。