Dragon Ash

3日間とも快晴に恵まれた今年のRIJ。とくに3日目は、午前中から真夏の陽射しが容赦なく照りつけ、最も暑い1日となった。しかもDragon Ashを筆頭に、この日は熱いライブが目白押し。

「朝っぱらからDragon Ashが来たよ!!」

ステージに現れたKj(降谷建志)の第一声が、会場の熱気に火をつける。「踊れ!」、「手を挙げろ!」、「腹から声出せ!」と、どんどん観客を煽るKj。ラテンのリズムを取り入れた最近の楽曲を軸に、「Fantasista」「Viva la revolution」など往年の名曲も披露した。 奥田民生のステージでは、奥田が曲間にビールを飲み始めるなど、相変わらずのマイペースぶりを発揮しながらライブが進む。北京五輪の野球日本代表・星野JAPANの公式応援ソングでもある「無限の風」が始まると、それまでの暑さを忘れるほど涼しい風が吹き込み、会場の真上を飛行機が舞った。偶然とはいえ、こうした"演出"も彼ならでは。

続く10-FEETのステージでは、KjとJESSE(RIZE)、大木伸夫(ACIDMAN)が飛び入りし、オーディエンスによる「タオル投げ」も見られた。冷めやらぬ熱気のなか、次に登場したのは鬼束ちひろ。それまでの熱気が幻のように、グラスステージを静寂が包む。長いブランクを経て、今年4月のライブで完全復活を印象づけた彼女。この日はピアノ伴奏のみのシンプルな編成で、「月光」「everyhome」、エアロスミスのカバー「Dream On」を、以前と変わらぬ鬼気迫る声で歌い上げる。他のアーティストとは一線を画す緊張感漂うステージに、オーディエンスも息をのみながら見つめる。新曲「蛍」を歌い終えると、会場から大きな拍手が起こり、彼女は両手を挙げてのポーズでそれに応えた。

鬼束ちひろ

KREVA、大いに吠える!

KREVA

間もなく日が沈む時間帯にグラスステージに現れたKREVAは、最初から「最高のステージ」を見せることへの自信をのぞかせていた。8曲を歌い終えたところで「ひとつ話をさせてください」とMCが入る。「フェスが始まる前から揉め事があったり、昨日かその前にわけわかんねぇニュースがあったり、大好きなグループが活動休止したり……。ブルーな気持ちになることが多くて、気が滅入りそうでした。みんなのなかにも、100%楽しめてない人がいるかもしれない。その人を1%でも盛り上げられるように、オレなりに超スペシャルな企画を用意してきました。今日ここに、世界でオレだけにしか呼べないゲストを呼んできたぜ!」そしてドラムロールの後に告げられたのは「KICK THE KAN CREW!!」。ステージ上にMCUとLITTLEが現れると、会場の後方にいた観客が慌てたかのようにスタンディングゾーンへと走り出す。会場全体が興奮に包まれるなか、1日限りの復活をはたした3人は、「イツナロウバ」「アンバランス」を披露。

ELLEGARDEN

今年のRIJFのなかでも、最大のサプライズとなった。ひたちなかでの熱い3日間を締めくくるべく、大トリとして登場したのはELLEGARDEN。9月7日のSTUDIO COASTでのライブをもって無期限の活動休止に入る彼ら。その姿を一目見ようと、スタンディングゾーンの外の通路まで人で埋まった。邦楽ロックの金字塔の呼び声も高いアルバム『ELEVEN FIRE CRACKERS』からの曲をはじめ、まるで会場の熱気を吸い込み、一気に爆発させたかのようなすさまじいサウンドで、オーディエンスの期待以上のライブを見せつけた。

参加者たちの努力が実り、3日間大きな混乱もなく幕を閉じたROCK IN JAPAN FESTIVAL 2008。天気にも恵まれ、観客動員数は過去最大ののべ15万人を記録した。ひたちなかの地でおこなわれたライブの数々は、参加者たちの記憶に強く焼きつけられたに違いない。なお、フェスの模様は9月12・13日の2日間(12日(金)19:00~30:00 13日(土)19:00~22:00)にわたり、WOWOWで独占オンエア。今年行けなかった人も、興奮と熱狂の瞬間を再び味わいたい人も要チェック!

また、同じくWOWOWでは事前番組『ROCK IN JAPAN FES.2008 直前特番~いよいよ来週オンエア! 見所紹介!~』(9月7日 15:00~)も放送されるので、予習しておきたい。なお、同番組は無料放送となっている。

(C)ROCK IN JAPAN FESTIVAL事務局