キャラ萌えはひとまず置いて、いざ実戦へ

というわけで実戦となるわけだが、魅力的なキャラがわんさかと用意されているだけに、キャラ選択画面で悩むこと数分。私がまず最初にチョイスしたのが「真田幸村」。"六文銭"がとにかくまぶしい。

そしてこれが「真田幸村」。キャラ絵だけで選んだわけじゃないですよ、もちろん……

プレイをはじめて最初に感じたのは、「難しい」とか「思うように動かない」などではなく、とにかく「幸村、つ、強い……」。これはゲームバランスの問題なのか、「簡単コマンド」モードの恩恵なのか、もしかしたら私に格ゲーの才能があったのか? けっこうポンポンとクリアできる。しかも、ただ力押しでクリアするのではなく、「通常技」のコンボ→「エリアル攻撃」→「エリアルスパイク」、なんて流れまでマスターしてしまっている! この短時間で私をここまで成長させ、夢中にさせる『戦国BASARA X』。まさに恐るべしといったところである。

さて、この「エリアル攻撃」とは何か? ということであるが、まずは立っている状態で、「↓」と中・強ボタン(デフォルトでは中が「△」で強が「○」)を同時押しすると、相手を宙に打ち上げる。その後に「↑」を入力すると自分も飛ぶ(これがいわゆるエリアルジャンプ)。宙に打ち上げられた相手は無防備なので、弱(デフォルトでは「□」)・中・強の攻撃ボタンによって空中でのチェーンコンボが可能となるわけだ。さらにそのトドメとして、「↓」と強ボタンで相手を地面に叩きつける「エリアルスパイク」が決まった日には、「BASARAサイコー」と叫びたくなる爽快感が味わえてしまう。

敵を宙に宙に放り投げてコンボを叩き込む! 相手が無防備なだけに、爽快感満点!? 最後は「エリアルスパイク」で地面に叩きつけろ

また、このゲームには「援軍」システムというものがあって、各キャラクターには、1~2人(組)の「援軍」キャラが用意されている。そして対戦中にこの「援軍」キャラを呼び出すことによって、攻撃の幅を大きく広げることができる。「俺は上手いから『援軍』なんか不要だぜ」なんていっている場合ではない。この「援軍」を呼び出すタイミングが、勝負の行方を決めるといっても過言ではないのだ。

画面中央の奥のほうに立っているのが「援軍」キャラ

「エリアル攻撃」+「援軍」で「援軍エリアル」が発動!

さて、この「援軍」キャラは、各キャラクターの存在に一番近い人がチョイスされているのだが、お市の「援軍」キャラが"浅井長政"というあたりに、私は少々泣かされた。"伊達政宗"と"片倉小十郎"、"豊臣秀吉"と"竹中半兵衛"が、それぞれの「援軍」となるのは仕方ないところである。上杉謙信が"くのいちのかすが"で、前田慶次が"前田利家とまつ夫妻"というあたりまでは私も許せる。長曾我部元親の"カラクリ兵器"というあたりは、かなり微妙な感じだが、まあOKだろう。ただ、毛利元就の「援軍」が"毛利軍兵士"というのはちょっといだだけない。君たち、主君のピンチには呼ばれなくても馳せ参じなさいよ……。

長曾我部元親の「援軍」となる"カラクリ兵器"(左)と毛利元就の"毛利軍兵士"(右)。なお、援軍はレベルの上昇にしたがってパワーアップしたりもするのだ

『戦国BASARA X』で楽しむなら「BASARA技」は見逃せない

やはり「BASARA」シリーズ最大のキモといえば「BASARA技」である。攻撃を加えたり、受けたりするとたまっていく「BASARA」ゲージ(画面下部)がいっぱいになると発動できる、いわゆる超必殺技で、とにかく画面がド派手で威力も強力。これなくして「BASARA」は語れないという代物だ。さらにその上をいくのが、「一撃BASARA技」。これは、相手の体力がいくら残っていようが関係なく、決まれば必ず倒せるという、もう反則スレスレの大技である(もちろん反則ではない)。この破壊力、そして爽快感を一度味わってしまえば、意地でも「一撃BASARA技」を決めないと気がすまないと思ってしまうほどの中毒性を秘めているのだ。

伊達政宗「PHANTOM DIVE」

前田慶次「恋の嵐」

とにかくド派手! 「BASARA技」の爽快感は、「必殺技」の比ではありません

お市「至れ死の淵」

毛利元就「毛利軍終局采配」

そしてこちらが「一撃BASARA技」。まさに一撃必殺の究極技は、どんな局面であろうとひっくり返してしまうのだ

「BASARA技」に「援軍アシスト」を追加すれば、さらに破壊力がアップ。ちなみにこの画面は、上杉謙信と援軍の"かすが"である……

PS2版ならではの多彩なモードに注目

PS2『戦国BASARA X』は、コンシューマ移植版ということもあり、多彩なゲームモードが搭載されている、まず、各キャラクターの技や動きの練習をしたいときに便利なのが「トレーニングモード」。「オプション」画面で相手(CPU)の強さや、どんな動きをさせるかなどを細かく設定できるため、ひとりで練習するときには非常にありがたい。そして、「チャレンジモード」。これは全12ステージを戦い抜き、称号などを得ていくモードなのだが、とにかく鍵となるのが"スタイリッシュ"。いかに"スタイリッシュ"に戦うかが結果に大きく反映する。称号には"指揮官"や"一騎当千"などさまざまなものがあるが、称号の獲得もスタイリッシュポイントに直結する。スタイリッシュさが要求されるのは、決して「デビル メイ クライ」シリーズだけではないのだ……。

練習に最適な「トレーニングモード」。対戦相手(CPU)の行動はかなり詳細に設定できる

制限時間内で、どれだけスタイリッシュに全12ステージをクリアできるかが鍵となる「チャレンジモード」

格ゲーならではの爽快感が初心者でも存分に味わえる!

というわけで、駆け足ながら『戦国BASARA X』について語ったわけだが、私個人が思う本タイトルの魅力は、初心者や対戦格闘が苦手な人でも、すっきりと楽しめるところである。ただ難易度が低いというのではなく、技を出す楽しさ、そして爽快感をスマートに楽しめるところではないだろうか? ボタンを適当に押していたら勝てた、というだけでは、面白さも半減である。華麗な技を放ってこその格闘ゲームである。たとえ、プレイの動機が"キャラ萌え"であっても、対戦格闘としての面白さに引き込まれてしまう。『戦国BASARA X』は、老若男女、幅広く楽しんでほしい、そして実際に楽しめるタイトル。ぜひ一度プレイしてもらいたい。

ゲームタイトル 戦国BASARA X (バサラ クロス)
メーカー カプコン
対応機種 プレイステーション 2
ジャンル 対戦格闘
発売日 6月26日 (発売中)
価格 6,290円
CEROレーティング B (12才以上対象)
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