現在、私の中にはひとつの課題というかテーマがある。そして、乗り越えなければならない壁となって立ち塞がっている。以前にもお話ししたとおり、私はいわゆるアクションゲームが苦手だ。しかし、近ごろ私の興味をひくタイトルはなぜか「アクション」系が多い。いつまでもアクション下手などと泣き言をほざいている場合ではないのである……。 というわけで、今年の私はかなりのアクション三昧である。まずは『デビル メイ クライ 4』。……ぜんぜんスタイリッシュではありませんでした。そして『モンスターハンターポータブル 2nd G』。……全然ハンティングできませんでした。しかし、やはり私も人の子。ずーっとプレイしていれば、それなりには上達したりもするのである。そして、やはり私も人の子。ちょっと上手くなれば、すぐに天狗になったりもするのである。「人の子」の意味合いが微妙に変わっている気がしないでもないが、調子に乗った私は、編集部のI氏にTELをかけた。
私「Iさん、何かいいアクションゲームないですか? 何でもサクッとクリアしてレビューなんか書いちゃったりしますよ(なぜか自慢気)」
編集部I氏「アクション系ですか……。青城さん、アクション系って苦手じゃなかったでしたっけ?」
私「何を失礼な。私に苦手なジャンルなんかありませんよ」
編集部I氏「わかりました。では、アクションとはちょっと違うのですが、バサラをやってもらえます?」
私「……バサラ?」
編集部I氏「『戦国BASARA X』ですよ」
私「いや、あのアクション系……」
編集部I氏「まあ、アクションも格ゲーもよく似たものですよ。じゃ、よろしく」
私に与えられた試練 - 『戦国BASARA X』
カプコンからプレイステーション 2向けにリリースされた『戦国BASARA X (バサラ クロス)』。アーケード向けとしても今年4月に稼動したタイトルで、あの「ギルティギア」シリーズのアークシステムワークスとカプコンがガッチリとコラボした作品である。ジャンルは「2D対戦格闘」。そう「格ゲー」である。天狗になっていた私に、いきなりの神の鉄槌が下された瞬間だった……。
とにかくパッケージを見ただけでしびれてしまう私……。『戦国BASARA X』は、格ゲー初心者の私にうってつけ!? |
とにかく「賽は投げられた」。今さら、「できません、ごめんなさい」なんて言えるわけがない。幸か不幸か、『戦国BASARA X』は、いろいろな意味で、女性ファンが多い対戦格闘ゲームである。そのあたりの理由はおいおい話すとして、まずはタイトルの紹介からはじめよう。
とりあえず「キャラ萌え」しておくのがお約束!?
まず、"BASARA (ばさら)"の意味がわからない人は、「戦国BASARA」シリーズの公式サイトをチェックしてほしい。このゲームというか、このシリーズを簡単に説明すれば、戦国時代の武将たちが主人公となる対戦格闘である。しかも、ただの対戦格闘ではない。パッケージを見ていただいてもわかると思うが、とにかくキャラがカッコいい……。いやもうこれは女子にはたまりません。対戦で燃えながら、キャラに萌える? キャラに萌えながら、対戦に燃える? いや、もうなんだかよくわかりませんが、プレイする前からテンションだけが上がっていきます……。
さて、今回プレイするPS2向けの『戦国BASARA X』の場合、アーケード版では"援軍キャラ"だった「竹中半兵衛」と「片倉小十郎」が、なんとプレイヤブルキャラになっているのだ! 「竹中半兵衛」といえば、豊臣秀吉の"軍師"として有名なお方だが、なんとまあ……美々しいお姿で登場する。伊達政宗を命を懸けて守る「片倉小十郎」にしても、その出で立ちは何となく「明治維新」のころを彷彿とさせる。歴史的な考証なんかまったく不要。この『戦国BASARA X』の世界に足を一歩踏み入れたなら、世の中の常識なんかは捨てて、とにかくゲームの世界にひたってみるのが得策なのである。
いつまでもキャラ萌えの話をしていても仕方がない。というか、これ以上書いてもカットされそうなので、ゲームシステムについて語ってみよう。PS2版の特徴としてもっとも注目しておきたいのは、「簡単コマンド」モードの搭載である。格闘ゲーム初心者にとってもっとも難解なものは何か? そう、それはコマンド入力である。「あんなのは身体が覚えちゃうよ」なんて語る人もいるが、私に言わせれば「そんな馬鹿な」である。しかし、『戦国BASARA X』には、コントローラの「L1」「L2」{R1」「R2」の組み合わせだけで、"必殺技"をぶちかませる「簡単コマンド」モードがある。このゲームのポイントとなる、華麗でスタイリッシュな「BASARA技」(簡単にいうと"必殺技"のスゴイやつです)や「一撃BASARA技」(簡単にいうと、さらにもっとスゴイ技です)なんかも簡単に繰り出せちゃうわけだ。このあたりは、女性ファンが多い『戦国BASARA X』ならでは、という気もするが、とにかく手軽に爽快感を味わえるという点で、私としては最大級の評価を下したいポイントである。