普及に期待、待望のIntel製SSD
かねてより開発が表明されていたIntelのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)だが、これも正式に製品リリースが発表された。HDDや競合SSDと比較した最大の特徴は高速なアクセス性能とされる。搭載実機を使ってのベンチマーク・ライブデモでもその高速性能をアピールしていた。
この日公開されたSSD製品は多岐に渡るが、特に注目されたのは"High-Performance"セグメントの3製品。すべてSATAインタフェースで、サーバ/ワークステーション向けの「Intel X25-E」(32GB/64GB、SLC、2.5インチタイプ)、デスクトップ/ノートブック向けの「Intel X25-M」(80GB/160GB、MLC、2.5インチタイプ)と「Intel X18-M」(80GB/160GB、MLC、1.8インチタイプ)。
リリース時期だが、まずはデスクトップ/ノートブック向けのMLC製品が9月に投入される予定で、容量80GBのモデルから始まり、160GBのモデルは今年の第4四半期に登場する。サーバ/ワークステーション向けのSLC製品の方は、MLCの80GBモデルの後、同160GBモデルの前あたりに登場してくる見込みだ。
セキュリティに新技術、WiMAXは商用化が間近
またSSDのほか、Centrino 2の強化のため新たなセキュリティ技術「Anti-Theft Technology」を今年の年末に提供できる予定だとし、その概要を紹介した。盗難などでノートパソコンを失ってしまった場合でも、遠隔でPCを動作不能にし、データをロックできるというハードウェアベースのセキュリティ機能だ。
その技術で「どんなことが出来るのか」をわかりやすく紹介するため、Anti-Theft Technologyを内蔵するテストマシンを用意し、そのマシンが盗難にあってしまうが、盗難後の所在地を内蔵GPS機能で割り出し、内蔵Webカメラで犯人の顔まで撮影、最後にPCをロックしてしまう……というデモンストレーションが披露された。
そしてWirelessでは、WiMAXの商用化が間近であることが強調された。WiMAXの製品がまもなく出荷可能で、当日はサービスとモジュールの試用デモンストレーションも公開されている。
早くも次世代モバイルプラットフォームの足音が
Centrin 2の次世代にあたるCalpella(コードネーム)プラットフォーム。今回、Windows Vistaを搭載するテストマシンを用いて、初公開となる動作デモンストレーションが実施された。電源管理機能の強化、高度なビジュアル体験、ビジネスとコンシューマそれぞれで有益なセキュリティ/マネージメント機能などを実現すると紹介されている。
CalpellaはNehalemベースのプラットフォームであり、NehalemのうちClarksfield(コードネーム、4Core/8thread)とAuburndale(コードネーム、2Core/4thread)が採用される見込みだ。
左がClarksfieldの場合で、右がAuburndaleの場合。どちらもグラフィックスとメモリコントローラはCPU側で、Ibex Peakが繋がる |
左側が現行製品で、右側がCalpella世代のブロックダイアグラムに当たる |
"On-the-Go"はどこに行く
講演の最後に、Perlmutter氏は「次の10年以内に、年間10億台のIA(Intel Architecture)を出荷することが我々のビジョンだ。これは夢ではないと考えている」と述べる。インターネットは人にとってより不可欠な存在になって行く。高パフォーマンス化を推し進めるとともに、Atomといった裾野を広げる製品も投入した。
さて、最初にPerlmutter氏が提示した、モバイルの"On-the-Go"は、どこに向かって行くのかというテーマ。同氏は「それがどこなのかはわからない。しかしIntelは新たなテクノロジーを生み出すことでその方向性、道筋を作って行く。デベロッパが新たなユーセージを開拓し、ビジネスオポチュニティを考える、我々がこれを支援する」とした。"On-the-Go"の行く末を決める主役はデベロッパ。10億台のIAの出荷……さらなる市場の拡大のため、デベロッパを鼓舞した格好で締めくくった。