萌え系フィギュア「鉄道むすめ」、「バスむすめ」もムンムン

鉄道やバスなどの会社の制服をまとったコレクション・フィギュア「鉄道むすめ」「バスむすめ」(トミーテック)のコーナーも絶えず人だかりができていた。「鉄道むすめ」は新ラインナップが展示されているほか、1000個限定となる「橘らいかDVDバーニング版」も公開されていた。これは、鉄道アイドル・木村裕子に憧れて制服を自作したという設定で、通常版の「橘らいか」よりも明るいオレンジの制服をまとっているレアモノ。また「バスむすめ」は、9月発売予定の第2弾となる新ラインナップが展示され、こちらも注目を集めていた。

「バスむすめ」の第2弾の一部がこれ。左から、伊那バス、北陸交通、奈良交通の萌えキャラが並んでいた。修学旅行の学生たちに人気という設定の帝産観光バスの「祇園あおい」もいい

「鉄道むすめ」は第6弾(発売中)が展示されていた。なかでも1000個限定の「橘らいかDVDバーニング版」には見入る来場者が多かった

バンダイのブースでは、Bトレインショーティーの新作が披露されていた。10月発売予定の「N700系新幹線『のぞみ』運転セット」は、バンダイが新開発した赤外線リモートコントローラーが付属したモデルで、コードレスで気軽に走らせることができる新作だ。また、本イベント限定モノもバンダイは忘れていない。なんと、Bトレインショーティーで国鉄時代の飯田線を再現できる「Bトレインショーティー・イベント限定『流電・飯田快速色クモハ52+クハ47』」が積まれていた。流線型電車として東海地方を走ったクモハ52型を"Bトレ"でモデル化したレアな一品だ。

バンダイはBトレインショーティーの直売コーナーと新製品紹介コーナーで勝負。10月発売予定のN700系セットはリモコン付属で手軽に走らせることができる。本イベント限定「流電・飯田快速色」は懐古ファンにとってはうれしい

レイアウトの製作や販売を行うディディエフでは、山陰本線・余部鉄橋を忠実に再現したレイアウト例が展示されていた。15万円ほどの逸品だ

東京マルイは、密かなブームを巻き起こしているZゲージの新ラインナップを展示。「EF65+20系客車」ブルトレ編成やE231系山手線に続き、新たに登場するE231系常磐線・総武線、「EF65+コンテナ車」貨物編成が展示されていた

プラスチック素材によるHOゲージの車両が人気の中、スチール素材で重厚なディティールが魅力のHO車両を発信しつづける老舗系鉄道模型メーカーも健在だ。カツミからはE217系横須賀・総武快速電車や、現役を引退していく名鉄7000系パノラマカーが、ムサシノモデルからは12月発売予定のEH200型電気機関車の試作品が展示されていた

主催者会長・古川享氏やSUPER BELL''Z・野月貴弘氏も参加

元マイクロソフト執行役・最高技術責任者で、現・日本鉄道模型の会会長である古川享氏。同氏もすすんで個人ブースを展開し、鉄道模型の魅力をひとりひとりに熱く語っていたのが印象的だった。「某ニュースサイトで『鉄道模型』カテゴリつくるっていうから、マイコミさんもがんばってね!」と励まされてしまった

さて、このように大盛況となった国際鉄道模型コンベンションだが、主催者であるNPO法人・日本鉄道模型の会の会長である古川享氏も個人ブースを出している。のぞいてみると、来場者ひとりひとりに「米国型ナローゲージと1/64Sn3モデルの魅力」を汗だくになりながら紹介していた。来場者が途切れた一瞬をぬって、このコンベンションへの期待と鉄道模型の魅力についてあらためて聞いてみた。

「熱いのにこんなに集まってもらって本当にうれしい。このイベントがユニークなのは、鉄道模型メーカー、販売会社、そして大学や学校などのクラブ、そして個人の方、それぞれが一堂に会するところ。4つのセグメントが一体化してひとつのイベントを成功させようとする動きは非常に面白くてめずらしいこと。そしてそれぞれの立場から鉄道模型の魅力を伝えていこうと結集してくれている。そして日本の鉄道模型の世界というのは、年齢層が広がっていることがいいことだと思う。海外では平均年齢65歳というところもある。日本の場合は年少者から鉄道模型に触れられる。また、団塊の世代がこれから早期引退を迎えたときに、『あの時やりたかった鉄道模型』というものを今、再び始めてみてほしい」と古川氏。

来場者の対応に追われる古川氏と別れると、他のブースではもうひとつの人だかりができていた。あのSUPER BELL''Z・野月貴弘氏が、子供のようなキラキラした瞳で「ED75型電気機関車・JR貨物更新車」のディティールアップのデモを行っていた。

一心不乱にピンセットをあてるSUPER BELL''Z・野月貴弘氏。登場したばかりのHOゲージ「ED75型電気機関車・JR貨物更新車」に触れる。時間を忘れて夢中になれる鉄道模型の世界へ、ようこそ…

世代もエリアも広くとり、ビギナーにもやさしい祭典に

鉄道模型フェアは世界各国、全国各地の催事場で行われているが、この国際鉄道模型コンベンションほど、"間口が広くてやさしい模型祭り"は他に類を見ない。世代では、参加者・来場者ともに小学校低学年から90代というご高齢まで。エリアは国内のみならず、海外のさまざまな規格のゲージや、個人が自由に設定する"フリーゲージ"まで、ありとあらゆる"力作"が集結する。古川氏の言葉のとおり、団体・個人の種別も問わず、ひたすら"我が自信作"を披露し、来場者たちと共感し楽しみあう。そこが従来のフェアと異なるところであり、このイベントの最大の魅力でもある。これから、自宅の一部を、もしくは自由な時間のひとときを鉄道模型で占めようと企てているあなたにとって、ドカンと背中を押してくれるうってつけの祭典だ。ただし、財布の紐が一瞬にして緩んでしまうので、くれぐれもご注意を……。