7月に開催された北海道洞爺湖サミット。初日の夜に催された社交ディナーの詳細がこのほど発表された。同ディナーには、ホストの福田康夫総理夫妻に加え、G8の各国首脳夫妻らが集い、懇親が図られた。メニューは、会場となった「ウィンザーホテル洞爺」の中村勝宏総料理長らがおよそ半年間を費やしてつくり上げたという。

ここでは、東京・麻布十番の名店「暗闇坂 宮下」で修行し、現在は東京・三軒茶屋の和食店「木村商店」店主・木村国博さんと、ソムリエの小山田貴子さんといった専門家にコメントしてもらいながら、ディナーの内容を詳しく見ていく。

各国首脳の記念撮影

このディナーを総合プロデュースしたのは、中村総料理長、「ウィンザーホテル洞爺」顧問の中道博さん、齋藤壽さんの3人。齋藤さんは柴田書店の「専門料理」編集長を経て雑誌「料理王国」を立ち上げ。さらにはウィンザーホテル洞爺内のレストランである「ミシェルブラス」や「わく善」「オテル・ド・カイザー」「ラ・ロカンダ・デル・ピットーレ」「達磨」のサポートをしている人物である。

北海道洞爺湖サミット2008「総理夫妻主催社交ディナー」献立

~シャンパン酒と共に~
キャビアのコルヌ詰め
ウニとスモークサーモンのパンシュープリーズ
熱々新玉葱のタルト
越冬ゆり根とサマーサボリー

八寸 流水膳七夕飾
和牛冷しゃぶ昆布風味アスパラ・胡麻クリーム、とろ・アボガド・花穂じそ、蛤・トマト・大葉のゼリー寄せ、焼鱧と蓴菜の酢の物、ゴリの飴焚、車海老の土佐酢ゼリー寄、八幡巻、丸十

オホーツク産毛ガニのビスク"カプチーノ"

きんき塩焼 たで酢

白糠産、乳飲仔羊背肉のポワレ香草風と仔羊鞍下肉のロースト、セップと黒トリュフ風味仔羊のジュと松の実オイルのエマルジョンソース

熟成チーズ各種とラベンダーの蜂蜜、ナッツのかるいカラメリゼ添え

ファンタジーデザートG8

コーヒーと果実と野菜のコンフィ

アルコール
磯自慢純米大吟醸中取り磯自慢酒造(静岡)
コルトン・シャルルマーニュ2005 ルイ・ラトゥール(フランス)
リッジカリフォルニアモンテベロ1997(アメリカ)
トカイエッセンシア1999 キライウドヴァール(ハンガリー)

料理のテーマは「北海道、大地と海の恵み」「上質な素朴」。アミューズからデザートまで、北海道の旬の食材がふんだんに使われている。ディナーが始まったのは19時45分。まず4種類のアミューズとシャンパンが出た。

「キャビアのコルヌ詰め」

「ウニとスモークサーモンのパンシュプリーズ」

「熱々新玉葱のタルト」

「越冬ゆり根とサマーサボリー」

ウニとゆり根は、道産食材が使われている。キャビアなどは王道だが、ゆり根とハーブの一種であるサマーサボリーという組み合わせはあまり目にすることがない。「ゆり根は和食ではまんじゅうにしたり、かき揚げにします。あとは蒸し物や、スープとか。熱を加えるとホクホクして、甘みがありますね」(木村さん)。