東京ビッグサイトで開催された「ワイヤレスジャパン2008」でZTE(中興通信)は、8月に日本通信がサービスを開始する「b-mobile3G hours150」用のW-CDMA/HSDPA対応USB接続型データ通信端末や、多くの海外向けの音声機種およびデータ通信端末を展示している。

ZTEブースは比較的広い空間を確保した開放的なものとなっている

また、今年4月に本格的に日本市場を開拓するために、日本支社のZTEジャパンを設立しており、今後の日本における同社の戦略を説明する報道関係者向け発表会が行われた。同社は、日本市場に参入しようと3年前から計画しており、その後、投資額を増やして、4月に正式に日本支社を設立している。

日本通信向け端末と同型の海外向けモデル「MF626(HSDPA USB Stick)」

説明を行ったZTEジャパン モバイルターミナル担当部長の衛東(Wei Dong)氏およびZTEの銭強(Qian Qiang)氏

説明を行ったZTE東アジア・東南アジア総経理の銭強(Qian Qiang)氏によると、2007年までのZTEジャパンは成長段階だったが、今後は、明確に売り上げ目標を2008年からの3年間で1億ドルと決め、着実にビジネスを進めていく計画だという。すでに、2008年の売り上げが2,000万ドルに達する可能性が高いとのことだ。

日本では主に法人市場に注目しており、優先的にデータ端末を売り込んでいく予定。すでに、アメリカ向けに大量に出荷しているため商品品質は高く評価されており、日本でも高い評価が得られると自信を覗かせた。日本通信とは10万台の端末供給の契約を結んでおり、この端末はNTTドコモのFOMA網に接続するものだが、法令で定められる技術基準に適合しているため、ドコモによる接続性試験は受けない。MVNO事業者が、回線提供事業者との試験を受けずに端末を独自調達するのは、世界初の例だという。さらに他の通信事業者向けにもビジネスを広げていく予定。特に、セキュリティ機能に対応させるなどした法人向けのカスタマイズ製品等で、強みを発揮できるという。これらの個々のマーケットは非常に小さいものだが、積み重ねていくと十分にビジネスとして成り立つという認識を持っているという。

ZTEは、HuaweiやAmoiと並ぶ中国の携帯電話メーカーで、2006年および2007年には中国の端末メーカーで1位、現在では、世界で6番目の携帯電話供給メーカーとなっている。中国と海外を合わせて1万2千件の特許を取得しているなど、徐々に強みも増えてきており、中国以外の世界で100箇所の拠点を設立しているなど、グローバルな企業に成長してきている。日本市場は、同社にとって新しい市場となり、これまで主に日本との取引は部品などの購入がほとんどだったが、今後は多くの製品を供給したいとしている。

日本市場はすでに携帯電話普及率が高く、市場の成長性が疑問視されているが、機種変更など交換が早いため、まだまだ新しく入り込む余地があり、ZTEの中でも重要な市場になると考えているとのことだ。