EMONSTER(S11HT)でパケット通信
さてプリペイドSIMカードを利用するには、海外用のW-CDMA/GSM携帯電話をあらかじめ購入しておかなくてはならない。日本であればノキアやHTCから、契約する携帯電話事業者を問わないSIMロックフリーの端末が販売されている。もし台湾で購入する場合は、街中の通信事業者や携帯電話の販売店で、本体のみ購入できる。台湾ではSIMロック販売を行っていないので、通信事業者の販売店で購入しても、その事業者以外のSIMカードも利用できる。
SIMロックのない携帯電話として、実は日本のイー・モバイルのスマートフォン「S11HT」が利用できる。S11HTは日本国内では、イー・モバイルの通信網であるW-CDMA(1700MHz)のみの利用となるが、GSM(850/900/1800/1900MHz)にも対応しているため、海外ではGSM端末として利用できるのだ。そしてSIMロックフリーなので、台湾で購入したプリペイドSIMカードを入れて利用することができる。
なお、台湾のプリペイドSIMカードは、パケット通信(GPRS)に対応している。購入時に「GPRSを利用したい」と伝えれば、パケット通信の利用申請もしてくれる。パケット通信を利用するには、手動で「接続先(APN)」の設定が必要だ。たとえばFar EasToneなら「fetsclub」となる。APNの設定をすれば、あとは現地SIMカードを利用してS11HTからメールチェックなどが可能になる。
S11HTは海外では、SIMロックフリーのGSM端末として利用できる。SIMカードを現地のものに入れ替えればよい |
待ち受け画面に現地事業者の名称が表示される。あとはAPN設定をすればパケット通信も可能だ |
ノートPCユーザーならHSDPAモデムをレンタル
ノートPCを使ってインターネット接続を多用する人にお勧めなのが、HSDPA対応USBモデムのレンタルだ。現地通信事業者のパケット定額SIMカードがセットになっており、1日わずか200TWD(ニュー台湾ドル)、日本円で約700円の定額で利用できる。ただしモデムは高価なため、レンタル時には保証金(デポジット)として6,000TWD(約2万円)が必要となる。なお、クレジットカード払いならレンタル時にいったん控えを取り、返却時に非請求扱いになるとのこと。
レンタルは中華電信(取り扱いはHi-Power Digitalworld)とFar EasToneの2社が行っている。料金は2社ともに同じ。カバーエリアもだいたい同じなので、桃園国際空港に到着した後は、カウンターの空き具合などを見てどちらで借りるかを決めても良いだろう。また中華電信のほうでレンタル台数を聞いたところ、70台前後を用意しているとのことなので台数は豊富にあるようだ。
レンタルされる端末は、Huawei Technologies製の「E220」で、イー・モバイルが販売している「D01HW」とは対応周波数以外ほぼ同等の製品だ。ただしドライバや接続ソフトはD01HWとは異なるため、E220をノートPCに接続すると自動的にインストールがはじまる。インストールが終われば英語版の接続ソフトが自動的に起動するので、利用は簡単だ。接続ソフト上のアンテナ表示(Signal)が立っていることを確認の上、「Connect」ボタンを押せばあとは自動的にHSDPAで接続する。カウンターでE220を自分のノートPCに接続テストし、動作チェック後にレンタルすることもできるので安心だ。
台湾はプリペイドSIMカードの通信費も安い上、HSDPAモデムのレンタルがあるなど、海外からの渡航者にも安価な通信料金を提供してくれている。この夏台湾へ渡航する機会があれば、利用してみてはいかがだろうか。