独特の気弱そうな風貌と演技で人気を集めている個性派俳優・温水洋一。彼が7つの短編に出演したドラマDVD『ザ・プロローグ ぬくみ~ず7』が発売された。このDVDには、それぞれ違う物語の序盤部分のみ全7話が収録されている。インターネットとDVDで見た視聴者による人気投票で1位に選ばれた作品のみ、完結編が撮影されるという。『ザ・プロローグ ぬくみ~ず7』で7つの物語に出演し、気弱な俳優、伝説の殺し屋、侍など、多彩なキャラクターを演じ分けた温水洋一に話を訊いた。
――『ザ・プロローグ ぬくみ~ず7』の企画を聞いた時は、正直どんな気持ちでしたか?
温水洋一(以下、温水)「まず、タイトル見てビックリしました。まんま僕の名前なんで、『あれ?』って思って……。『これは仮題かな?』と思ってたんですけど、これがタイトルになるってことで……。名前がそのままタイトルになるっていうのは、凄く不思議な感じがして、それはそれで、照れくさい部分もあるんですけど……」(※冒頭から、いきなり申し訳なさそうな温水さん)
――収録されている7つの物語は、とにかくバラエティに富んでいますね。どのエピソードもプロローグ部分だけが描かれているのですが、脚本も冒頭部分だけだったのですか?
温水「そうなんですよ。だから、そこから先の話は全然わからなくて……。監督さんたちとお話しても、『冒頭から先はなにも考えてない』という監督さんもいれば、『実はこの後の展開も考えている』という監督さんもいたんです」
――脚本が冒頭部分のみというのは、演じる側の温水さんとしてはどうなんでしょうか?
温水「プロローグだけを作るという前提の脚本だから、先のことを考えないで演じられるというのはありました。だから、良い意味で無責任に演じました(笑)」
――コメディ、ドラマ、ホラー、アクション、サスペンスなど、物語のバリエーションも豊富ですね。どのエピソードや役柄が、温水さんにとって印象的でしたか?
温水「どのエピソードも印象的なんですが、僕はホラーをやったことがなかったんで、『黒い脚本』は難しかったですね。あとアクション物の『北京飯店』の殺し屋も演じていて新鮮でした」
――2丁拳銃で香港アクション映画の主人公みたいに大殺戮をする温水さんの姿は、凄くインパクトがありました。
温水「こういうのは滅多にやらないですから……。逆に真面目にやればやるほど、笑いになるというか……」(※なぜか申し訳なさそうに語る温水さん)
――どの作品にも思い入れがあると思うんですけど、温水さんの中で、「これは是非続きを演じてみたい」って作品はどれですか?
温水「この企画って本当に難しいと思うんですよ。僕はすべての作品の続きが観たいですから……。やっぱりどの作品もジャンルが違いますし、監督さんも脚本の方も出てる人たちもみんな違いますから、どれも続きを観たいです。凄く甲乙付け難いですし、これはまだプロローグだから、こっから先どんな展開になっていくのか僕自身も気になりますし。わかりやすい意味で言ったら、『北京飯店』なんかは凄い痛快で、すぐ続きが観たいですね。僕も困ってて、どの作品も続きが作れればいいなって思ってるんです。投票制って難しいですよね。もし仮に投票で選ばれず外れたとしても、決してそれが駄目な作品だったわけではないですし……」(※饒舌に語りつつも、かなり困ってる感じの温水さん)
――それでも、あえて訊かせていただきます。ズバリ、温水さんはどの作品の続きが作られると思いますか?
温水「う~ん、『一目逢ったその日から』とか、あんな風に奥さん同士が出てきて殺し合いが始まる話、"どうなるんだろう?"って思いますし、凄い続きが気になりますね」
――役者としてとして経験豊富な温水さんですが、今回の企画のように短期間に様々な役を演じるという経験はどうでしたか?
温水「どのエピソードも楽しんでましたね。どの役も『難しいな』って思ったりもするんですけど……。(演じてみて)自分じゃ『納得いかないな』って思っても、映像になって完成したものを観たら、『大丈夫だったんだ』っていう事も多いですし(笑)」
――このDVDを観る人にひと言お願いします。
温水「すべてプロローグで、色々なプロローグがあるんで、楽しんでいただけると思います。ミステリーあり、恋愛あり、ファンタジーあり、ホラーあり、アクションあり……。『非監視者』と『THE BOY IN WONDERLAND』の2作品では主役じゃないんですけど、それぞれ違った温水を観て楽しんでいただければ、嬉しいです」