とにかく難解で高度な数学の問題に、ビートたけしと現役美人東大生、たけし軍団の面々が挑むという深夜バラエティ番組『たけしのコマ大数学科』(フジテレビほか 木曜25:15~25:45)。深夜番組にも関わらず、オンエアを観た視聴者からの「難し過ぎるが面白い」という好評価を得て、丸2年以上も続く人気番組となっている。この番組内で、「数式の計算でなく、地道な実証・実験を駆使して数学を解く」という方法に挑んでいるのが、「コマ大数学研究会」。このメンバーであるダンカンに話を訊いた。
――ここまで高度な数学を扱うバラエティ番組はこれまでありませんでした。この番組の企画を聞いたとき、ダンカンさんはどう思いました?
ダンカン「正直、『難し過ぎるな~』と思いましたよ(笑)」
――あの時間帯において、これまでのたけしさんの番組とは真逆な感じで、とにかくアカデミックな番組ですよね。
ダンカン「これまで、深夜の時間帯は下らないバカな事とか、エロっぽい事をやってたんです。まあ、たけしさんの一番得意というか、楽な事をやってたんですね。そんな中で、『今度は何をやろう?』と企画を練っていたら、たけしさんから『今、数学に凝ってるんで、数学がやりたい』という意見が出たんです」
――たけしさん本人からの企画だったんですか?
ダンカン「そうです。たけしさんは休日に銀座や新宿の大きな書店に行き、小学生用の英語の算数の教科書を買い、勉強してるみたいなんです。『英語と数学の両方の勉強になる』って言って(笑)。それをきっかけに、難しい数学の本を沢山読んでるみたいで、『数学って面白いんだよな。これ番組にしようか』って……」
――それを聞いて、ダンカンさんはどう思いました?
ダンカン「正直、凍りつきましたね(笑)。難しい数学を扱って、視聴者が楽しんでくれる番組になるとは思えなかったんです。でも始めてみたら、深夜なのにかなり良い視聴率で、驚きました。周囲から聞こえてくる声も、『(数学のことは)わからないんだけど、凄く面白い』という声が多いですね。数学に詳しい人からは、『もっと難しくてもいい』なんて声もありました」
――ダンカンさんは、番組で紹介される難解な数学を、どの程度理解されているのですか?
ダンカン「黒板に説明が書いてあるとしたら、理解できたのは、最初の1行だけです(笑)。中学や高校の数学の時間、『ここだけ時間が終わればいい』と願うタイプだったので、ほとんどわからないです(笑)。ただ、『わかる所まではついていこう』という気持ちはあります」
――ダンカンさん自身も数学に興味を持たれたんですね。
ダンカン「番組をやっているうちに、『もう少し数学を勉強していれば良かった』という気持ちになりました。努力して出来ると気持ちいい。それを放棄していたんだと思いました」
――数学が得意でない人や理解できない人が見ても、楽しめる作りになっていますよね。
ダンカン「それは、たけしさんの勘というか引きの強さが出たのかもしれないでね。『登場するのは東大生でないと駄目だ』と企画当初から言ってましたから。東大生とたけしさんが数学でガチンコ勝負する。登場する東大生が本当に美人で、才女だったんですよね。そんな彼女たちが頭脳を駆使して数学に挑む。それに対して軍団は視聴者目線で、コツコツと実験して検証する。そのスタイルが受けたんだと思います。たけしさんの正解率の高さも見所ですよ。たけしさんは直感力が凄くて、それが数学の問題を解く時も発揮されるんです。数学+野生みたいな感じで解いてますね」
――今回、DVDでこの作品に初めて触れる方々にひと言お願いします。
ダンカン「オンエアだとその1週で流してしまうもんですよね。DVDでは何度でも見られるので良いと思いますよ。数学のルートだって怪しい、フィボナッチなんて聞いた事もないという僕でも、ピタゴラスの定理とかいった物が段々わかってくるから不思議です。だから睡眠学習じゃないけど、数学の苦手な人はずっと繰り返し何度も見て欲しいですね。難しい事が自然な普通の事になるから。数学が嫌な物から、楽な物になるかもしれないです」
――付録に勉強用のノートが同梱されていますね、
ダンカン「あれはプロデューサーのアイデア。一番お金がかからない物という事で(笑)」