新局面を迎えたATI対NVIDIAの対決
今回は、ここまでとして、両者のテクスチャシステム、ROPシステム(レンダーバックエンド)、ビデオメモリシステムなどについての比較は次回の"後編"へと持ち越すとする。
まだ解説は前半が終了したと言ったところだが、ここまで見てきても分かるのは、ATI、NVIDIAそれぞれのGPUに対するコンセプトの違いだ。
NVIDIAはCUDAプラットフォームを有し、TESLAで一定の成功を収めているため、GPGPUにフォーカスして開発したGeForceを、GPU的に利用できるようにする……といった方針が見える(もちろん筆者の便宜上の極論だが)。
同じように極論するならば、CPUメーカーであるAMDを母体に持つATIは、GPUを汎用コンピューティングプロセッサっぽく設計するよりは、やはり3Dグラフィックスに注力して設計し、やや後付け的にGPGPUのポテンシャルをも与えた……というように見える。
少なくとも、「赤対緑」と揶揄されるGPU戦争は、これまでの単なる3Dベンチマークスコア競争とは別の局面を見せ始めたように思えてならない。
(トライゼット西川善司)