キーストロークは浅く、反発力は強め。キーを押すよりも、軽く叩くという感覚だ。タッチタイプで撫でるようにキーを押す人はちょっと強めに押す必要がある。しかし、[Space]キーはやや軽めだが、[Shift]キーがメインキーと同じ堅さで、小指で何回も押すと重さがちょっと気になる。ふだん、指を高く上げて打鍵する人には気持ちよいリズムになる。打鍵音はとても小さく、同居人がうるさく感じることはなさそうである。
ホットキーは22個を装備している。左側の4個はマイドキュメント、マイピクチャの呼び出しとズームに割り当てられている。奥はメールクライアントやWebブラウザ、インスタントメッセンジャ、メディアプレーヤー、5つのユーザー設定ボタン、ユーザー設定メニュー呼び出しボタン、メディア再生/停止、早送り、巻き戻し、音量調節とミュートに割り当てられている。目立たないがテンキーのそばにある電卓ボタンも便利だ。欲をいえば、電卓ボタンを押すと同時に[NumLock]もオンになるとうれしい。ドライバでその機能を提供してもらえることを期待したい。
ファンクションキー部分にはヘルプ呼び出しや進む/戻る、フォルダやファイルの操作などがある。それは便利だが、[F1]キー~[F12]キーの表記が目立たない。特殊機能を際立たせるためにわざと薄い色にしているようだ。しかしこれは少々困った。筆者は[F5]キーでフォルダ内容を更新したり、カタカナやひらがな、半角を[F6]キー~[F8]キーで確定させたりする。表記が目立たないと迷ってしまう。しかもファンクションキーの配列にメリハリがない。たいていのキーボードでは4つごとに固めて配置しているため、[F5]キーや[F8]キーの場所が視覚的に把握できた。このキーボードではすべて均等配列であるため分かりにくい。これが唯一の不満である。逆にいえば不満はこれだけといえるのだが、シールを貼るなりして工夫して使いたい。
有線接続のストレート配列キーボードは、安価な製品なら1,000円前後から購入できる。しかし、Microsoft Digital Media Keyboard 3000は価格3,800円(税別)で、いわば高級機だ。多機能ボタンや静粛なキートップには充分にその価値を感じられるが、やはり筆者としては排水機能の装備と、それによる高いメンテナンス性を評価したい。この仕組みにするだけで、従来のキーボードよりは余分に金型を作る必要があり、組み立ての手間もかかっているはずだ。見えないところにお金と配慮が施されている。その意味では、本製品はとってもお買い得だといえるだろう。