背の高いマウスは長時間の操作に配慮

マウスは解像度1,000dpi、6,000カウントのレーザーセンサーを搭載する。実売価格数千円のセット品につくマウスとしてはかなり高性能だといえる。初期状態で使って見るとマウスカーソルの動きが速い。ユーティリティソフトですこしスピードを落としたくらいがちょうどいい。そのくらい速い。

左右対称で背の高いデザインは手のひらに落ち着く。握り心地のよい操作感である。側面にざらつき加工が施されており、マウスを前後左右にスライドさせる場合に指が滑らない。しかし、持ち上げようとすると少々心もとない。単三乾電池を2本も内蔵したマウスは意外と重く、持ち上げようとすると滑り落ちそうになる。マウスを持ち上げる癖のある人は、持ち方を改めるか、なにか滑り止め対策を考えたほうがいいかもしれない。

左サイド。親指を置くふくらみの下にセンサーがある

右サイド。薬指と小指を置く場所が作られている

マウスは単三乾電池2本を搭載する

いいな、と思う点はレーザーセンサーの位置だ。マウスを裏返すと分かるように、レーザーセンサーは右手でマウスを握ったときの親指の位置にある。乾電池のふたがあるためセンサーを中央に置けなかったという事情もあると思われるけれど、この位置のおかげで親指を作用点として認識できる。グラフィックソフトで作業する場合に親指で描くような感覚になり、思い通りの位置にぴったりと合わせられる。欲を言えば、乾電池の位置がもう少し手前なら、その重みを支点として活用できた。しかし現状のままでも充分に重宝する仕様である。

ホイールの回転は固め。ボタンもやや重い

気になったところはホイールの固さだ。クリック感がなく固めで、エディタで長文を書くときや画像ビューワーで拡大縮小を繰り返すと指が疲れそうである。良い点としては滑りにくい素材を使っているため、ホイールを左右に倒すときの操作が確実に行える。Windows Vistaの場合はこのホイールボタンがフリップ3Dの起動ボタンとなり、Windows XPではインスタントビューアになってタスクの切替が容易だ。ホイールはこの機能を呼び出すために何度もクリックされるだろうから、あの固さと滑りにくさになったのかもしれない。ドライバによって提供される拡大鏡機能も便利で、小さな文字のWebサイトや写真の確認など、使い慣れると手放せない。

マウスに搭載されたインスタントビューア。Windows Vistaではフリップ3Dになる

マウスの拡大鏡機能。拡大サイズやズーム倍率を変更できる

カーブ型キーボードの入門機としては"買い"

バッテリー残量はユーティリティソフトで確認可能

レシーバーはUSB接続タイプでケーブルは約1.8メートル。デスクトップ機を足下に置いたり、前面にUSB端子がない機種でもレシーバーを手元に置ける。筆者は机の上が狭いので、横の棚の隅に引っかけてぶら下げた。ワイヤレスの自由度の恩恵である。レシーバーにはCapsLock、NumLock、FunctionLockのLED表示がある。もっとも、CapsLock、NumLock、FunctionLockの操作をするとデスクトップの隅にポップアップで表示してくれるので、レシーバーが常に見える範囲になくても差し支えなかった。LED表示をキーボードに置かずレシーバー側に置くことで、多少はキーボードのバッテリー駆動時間に貢献しているのかもしれない。ちなみに報道発表によるとキーボードとマウスの乾電池駆動時間は約6カ月。電力残量はユーティリティソフトで確認できる。

キーボードの項で述べたように、現在ストレートタイプのキーボードを使っていて腕に疲れを感じる人や、今後はタッチタイプに挑戦したい人にとって、カーブ型キーボードの入門機として購入する価値はある。些細な不満はあるものの、手軽にワイヤレスな操作環境が構築できること、豊富なファンクションキーやマウスの機能が得られることは高く評価できる。これで実売価格が数千円とはお買い得な製品だといえるだろう。