マイクロソフトは5月に2種類のキーボードとマウスのパッケージを発売した。価格6,400円の「Microsoft Wireless Laser Desktop 3000」と、1万4,800円の「Microsoft Wireless Laser Desktop 7000」だ。両方ともワイヤレスタイプであり、エルゴノミクス・デザインを採用し、大きさもほぼ同じだ。しかし価格は2倍以上の差がついている。Microsoft Wireless Laser Desktop 3000はそのうちの"安いほう"である。その"お買い得度"を検証してみたい。

フラットで軽いキーボード

USBで接続するレシーバー(左)とマウス(右)

静かでフラットなキーボード

マイクロソフト独自のエルゴノミクスに基づいたカーブ型配置

キーボードはマイクロソフト独自のカーブ型配列で、マイクロソフトによると「人間工学に基づいた疲れにくい配置」である。マイクロソフトはこのタイプのキーボードを過去にもいくつか製品化しているが、今回のキーボードはカーブが緩やかで、従来のストレートタイプのキーボードとの差は比較的小さい。過去には中央部が盛り上がり、明らかにタッチタイプをマスターしないと扱えないようなカーブ型キーボードもあったけれど、このキーボードはキートップが平らなこともあって、タッチタイプが苦手な人も扱いやすい。キートップの文字が大きくて読みやすく、「かな表記」も大きい。これは筆者のようなかな打ち派にはとてもうれしい。このスタイルなら直列キーボードユーザーも移行しやすいだろう。このデザインと価格から察するに、本製品はカーブ型配列でタッチタイプを目指す初心者用モデルである。

キータッチはとても静かでストロークが浅い。キーボード自体が軽い上にワイヤレス型だから、机の上だけではなく、ソファの上や椅子をリクライニングさせた状態での操作など、自由なスタイルでキーボードを操作したい人にはうれしいはずだ。ひざの上に乗せても苦にならないし、立てかけて片付けるときもラクだ。ただし、キーのストロークが浅い割には各キーの反力が大きい。もっとも、キーボードが薄い上にキーを軽くしたら誤操作の原因になりやすい。そのための配慮だと思われる。しかしキーを軽く押す人は反力が気になるだろう。とくに表計算ソフトなどでカーソルキーを押し続けると指先が疲れそうだ。つまり、このキーボードが持つ"反力"によって好みが分かれるだろう。キーを押すと言うよりも叩くように使う人向きだ。キーを叩くように扱っても、キー自体が静かだから、周囲に耳障りな"カタカタ音"を撒き散らさずに済むのは良い。

メディアキーはインターネットやメディアプレーヤを操作可能

ユーザーの操作を補助するキーとして、ブラウザやメールクライアントを呼び出したり、メディアプレーヤを操作するメディアコントロールキーと、ファンクションキーにあらかじめ機能を割り当てた拡張ファンクションキーが用意されている。テンキーの奥には電卓を呼び出すキーもある。経理業務に役立つだけではなく、家計簿を付ける場合や、表計算ソフトを使うまでも無いちょっとした計算をする場合に重宝する。これらのキーはユーティリティソフトを使って自由に設定できる。

[F1]キーから[F12]キーまで割り当てられたFunction機能

Function Lockボタンを押すと四角い枠の機能が使える。電卓を呼び出すボタンが意外と便利

[Windows]キーを無効化できる。ゲームユーザーにはうれしい機能だ

ユーティリティソフトのメニューに"[Windows]キーを無効にする"という旨の項目がある。これはゲームソフトや動画をフルスクリーンで楽しむ人にはうれしい。フルスクリーン状態であっても、[Windows]キーを押すとデスクトップに戻ってしまう。それをキャンセルする機能が付いているというわけだ。キーカスタマイズの豊富さはこのキーボードの最大の特徴とも言える。使用するに当たり、かならずチェックすべき項目である。

全てのボタンをカスタマイズできる

キーボードのファンクション機能も任意に設定可能

ちょっとした親切な仕様として、キー側面の手前側に*印と共に機能を表示したキーがある。これは[Ctrl]キーと同時に押すと機能するショートカットキーにあたる。これはキーボードと言うよりもWindowsの機能だが、意外と知らない人が多い。便利なキーなので、この機会にもっと活用してもらいたい。