デジタルカメラで撮影した写真は、どうやってまとめているだろうか? フィルム時代はアルバムを使って写真やフィルムを整理・収納するのが一般的だった。しかしデジタルカメラが主流になった現在、撮影する枚数が多くなったことで、パソコンやCD-Rに画像データをコピーして終了してしまうという人も少なくないようだ。また写真を人に見せる場合も、ブログに掲載したり、メールで送信するなど、データでやりとりを完結してしまう人も多いのではないだろうか。しかし写真をプリントしてまとめたものを1枚1枚めくって鑑賞することは、モニターで見るのと違った楽しさがある。ここでは写真がよりよく見える「フォトブック」のまとめ方を紹介したいと思う。

なにを見せたいか? まずはテーマを決めよう

ここでいう「フォトブック」は、写真アルバムを発展させたようなもので、鑑賞を目的にまとめた写真集に近い冊子をイメージしている。かといって、フォトブックにまとめる写真は、写真家の作品のように芸術性が高くればならないということはない。友人の結婚式で撮った写真や、祖父母のために子供の成長写真などをフォトブックにまとめてプレゼントする人も増えている。

写真用品店などにでは自宅のプリンターでフォトブックを制作できる製本キットが販売されている。レイアウトソフト(無料ダウンロードが可能なものもある)を使ってパソコン上で写真をレイアウトし、指定の用紙でプリントすればいい。製本キットは材料が全てそろっているので、だれでも簡単に制作できるのが特長だ。

額縁に入れて1枚の写真を鑑賞する方法と違い、フォトブックはページをめくりながら複数の写真を見ることになる。フォトブックをまとめるとき、初めのページから最後まで関連性のない写真の羅列になってしまうと、見ている人は何を見せたいのかわからず、つまらなく感じてしまう可能性がある。フォトブックを作るときに、一番大切なことはテーマをはっきりと見せることだ。市販の製本キットはあらかじめページ数が決まっている場合が多いので、テーマをきちんと決めないと、写真の選び方や並べ方でも悩んでしまう。見る側も一貫したテーマがあることで、ページをめくりながら期待や予想などでき、最後まで飽きずに見ることができる。テーマを決めることが、フォトブック作りの最初の作業になるのだ。

まずは写真セレクトから。最初の粗選びではあまり深く考えず、いい写真だけを選んでおく

ビュアーソフトにはチェック機能がたくさんあるので有効に使おう。これはニコンの「ViewNX」

客観的な眼で写真を選ぼう

ここではペットの猫の写真をまとめてみよう。テーマは"猫の1日"だ。テーマが決まったら、次は写真選びの作業になる。写真を選ぶときは、候補写真は、バリエーションをもたせるために多めに用意しよう。しかし、似たような候補写真が多くても意味がないので、ある程度は絞り込んでおくと(粗選び)作業がラクになる。

写真は撮影した人のもの。だから写真の選択も撮影者が行なうのが基本だが、逆に思い入れが強すぎると写真の善し悪しが判断しづらくなることがある。選ぶ際は、カメラマン(主観)の視点ではなく、見る人の側(客観)の視点で写真を選ぶように心がけると、伝わりやすくなることが多い。自分が"傑作だ!"と思った写真でも、テーマから外れたり、全体の流れを壊してしまう可能性がある場合は、勇気をもってボツにすることも必要なのだ。もし写真選びが難しいようであれば、他の人の意見を聞くのも有効だ。「この写真はどう?」「こっちのほうがいいよ」など人と写真を一緒に選ぶ作業も楽しいものだ。他の人が見ても、一緒に楽しめるようなフォトブックを心がけたい。