ワールドワイドで絶大な人気を誇るゲームジャンル「FPS(ファースト・パーソン・シューター)」。オンライン対戦で世界中のユーザーと撃ち合いを楽しんでみたいと思っているが、FPSは日本で少々馴染みが薄いため、「参加しても大丈夫かな……」、「一方的にやられてしまうのでは……」、と躊躇してしまう人も少なくないだろう。そこでオススメしたいのが、アクティビジョンからリリースされたオンライン対戦特化型のFPS『クエイク ウォーズ エネミーテリトリー(以下QWET)』だ。

戦闘だけではなく、支援に特化したクラス(兵科)もあり、撃ち合いが苦手な人でも十分に活躍が可能。ハッキリと攻守に分かれた独特のルールと勝利条件により、知らないユーザーとのチームプレイが求められるゲームシステムは、どんなFPSよりも熱くなれること請け合いである!

役割が完全に異なる5つのクラス。お好み次第でさまざまな活躍が可能

QWETは、スピーディーなゲーム展開が魅力となるスポーツ系FPSのビックタイトル「クエイク」シリーズの世界観と、マルチプレイ専用のフリーソフトとしてリリースされ、公開から5年以上経過した現在でも世界中に熱狂的なプレイヤーがいる『ウルフェンシュタイン エネミーテリトリー』のゲームシステムを融合したタイトルである。基本となるルールは、「防衛側の陣営がテリトリーを守り、攻撃側の陣営がそのテリトリーを侵略する」と実にシンプルではあるが、それを達成するには5つあるクラスそれぞれの活躍が必須となる。オンライン対戦に特化したタイトルであるため、勝利するためには見ず知らずのユーザーとのチームプレイが絶対に必要。そこがQWETのちょっと難儀なところであり、それでいて最高に面白いところでもある。FPSといえば、とにかく「撃ち合い」がメインと思いがちだが、QWETでは支援や隠密行動が勝負を決めることもある。撃ち合いが苦手なFPS初心者でも楽しめるのはもちろん、一般的なFPSに飽きてしまったヘビーユーザーでも新たな面白みを見出せる1本といえそうだ。

GDF、ストログそれぞれ5つのクラスが用意され、任務達成するには各クラスの活躍が必須。これこそがQWET最大の魅力だ

まずは、各クラスの役割を説明しよう。プレイヤーは地球防衛軍「GDF」か半機械の生命体「ストログ」、どちらかの陣営につき、そこからクラスを選択することになる。各陣営ともクラスは5種類。それぞれ陣営によって名称は異なるが役割はほとんど同じだ。まず、ひとつ目はソルジャー(GDF) / アグレッサー(ストログ)。ライフルやマシンガンなど豊富な火器を扱えるほか、爆薬の設置が可能となっており、オブジェクトの破壊任務を遂行できるのが特徴となる。次は、メディック(GDF) / テクニシャン(ストログ)。これは体力を回復できる救急パックの提供や、瀕死となった味方の蘇生処置ができるという完全な支援クラスだ。激しい戦闘となる前線では、スムーズな蘇生が勝敗を決めることも多いため、支援クラスとはいえ、非常に重要な役割を担っている。

ソルジャー / アグレッサーは、多くの武器が扱えるのに加え、爆弾を仕掛けてオブジェクト破壊の任務を達成が可能なクラス

メディック / テクニシャンは、電気ショックで瀕死の仲間を救ったり、体力を回復できる救急パックの提供が行える

次はエンジニア(GDF) / コンストラクター(ストログ)だ。地雷や敵が近づくと自動射撃する銃座を設置できるほか、兵器やオブジェクトの構築・修理が可能。そのため、構築の任務では必須のクラスとなる。フィールドオプス(GDF) / オプレッサー(ストログ)は、戦略的な支援を行うクラス。指定した地点で空爆を要請して敵を一掃できたり、味方に弾薬を提供できる。また、遠距離射撃が行える砲台を設置することも可能。まさに撃ち合いが苦手な人向けのクラスだが、的確な支援を行うための戦況把握が求められるなど、幅広い視野が必要となる。

エンジニア / コンストラクターはオブジェクトの構築任務を達成できるのが特徴。自動砲台や地雷の設置といった支援向けの能力も多い

フィールドオプス / オプレッサーは砲台を設置して遠い地点への支援攻撃が行える。指定した地点へ強力な攻撃を仕掛ける空爆を要請できるのも魅力

最後はカバートオプス(GDF) / インフィルトレイター(ストログ)。敵の位置がわかるようになるレーダーの設置や遠距離の敵を倒せる狙撃用ライフルの装備のほか、倒した敵を乗っ取り、変装して敵のテリトリーに潜入することなどが可能だ。能力を活かすにはマップや任務の細かな把握が必要となるため、上級者向けのクラスといえるかもしれない。

カバートオプス / インフィルトレイターは、敵を乗っ取って変装できるのをはじめ、狙撃用ライフルを扱えるなど隠密行動が得意なクラスだ

乗り物も数多く登場。狭い場所に入れないのが難点だが、前線を押し上げるのには便利な存在だ

ここまでの解説でもわかるとおり、各クラスの役割はまったく異なる。各マップの任務は、オブジェクトの構築と破壊というパターンが多いため、戦いの中心になるのはソルジャー / アグレッサーとエンジニア / コンストラクターである。しかし、最大16人もの対戦が可能なQWETでは、いかに効率よく支援するかが勝敗の鍵を握る。そのため、どのクラスが「面白い」、あるいは「お得」といったことはない。戦況に応じて必要なクラスを選ぶことが重要となってくるのだ。

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