基調講演でのLTEのデモ
Freescaleの携帯電話ビジネスといえば、元親会社であるMotorolaの携帯電話部門からの受注の比重がかなり大きい事は良く知られている。ただしそのMotorolaの携帯電話ビジネスの失速もあり、昨年度の携帯部門の売り上げは2006年を下回る結果に陥っている。もっともこの売り上げ低下は携帯部門に限った話ではなく、部門別に見ると
2007年度(Mドル) | 2006年度(Mドル) | 差(Mドル) | |
---|---|---|---|
Microcontroller | 1878 | 1922 | -44 |
携帯電話 | 1217 | 1479 | -262 |
ネットワーク | 1121 | 1187 | -66 |
RF/アナログ/センサ | 1048 | 1027 | 21 |
その他 | 458 | 744 | -286 |
合計 | 5722 | 6359 | -637 |
といった結果になっており、全般的に不調ではあるのだが、その中でも携帯電話向けビジネスの落ち込みはちょっとシリアスな問題ではある。とはいえFreescaleは携帯電話向けビジネスから撤退するつもりは無いわけで、これをリカバーするためにどんな提案をしてくるか、はFTFにおける1つのテーマでもあった。実際基調講演ではこれを裏切ることなく、LTEの動作デモという形で方向性を明確に示した。今回はまだFPGAベースでMACやPHY、Encoder/Decoderを実装しており、今すぐMXCでこれが利用できるという訳ではないが、LTEという付加価値をMXCに付けてゆく形で携帯電話マーケットのシェアを獲得したい、という方向性が明確に示された形だ。ちなみにこのLTEのデモはTechnology Showcaseでも行われていた。
会場に展示された、Freescale製品搭載機器のショーケースから。これは3GのMotorola MOTORAZR Maxx |
同じくMotorolaのMOTORAZR2 V9。他にも2.5Gの製品を含めて、10種類以上の製品が並ぶ |
MotorolaとFreescale以外ではほとんど唯一と言ってよい携帯電話がSagemのmy419x。もっともDesign Winした製品をすべて公表できる訳ではないだろうから、他にもこっそり使われている製品が無いとは言えないのだろうが、それでもFreescaleの携帯部門がMotorolaへの依存度が高い事は疑う余地がなさそうだ |