SSDの価格が徐々に下がってきた影響を受けて、ノートPCでもSSD対応機種が増えてきている。容量も64GBか128GBがメインで、大容量ファイルを多数扱わないのであれば、十分実用的だ。そこで本稿では、SSD対応機種のなかでも、高いカスタマイズ性と低価格が魅力のエプソンダイレクト製モバイルノート「Endeavor NA104」の使い勝手や性能などを紹介しよう。

「Endeavor NA104」

SSDの性能にビックリ!

実は筆者は、これまでSSD搭載ノートを触ったことがなかった。今回のレビューにあたってはじめてSSD搭載機を使ったのだが、まずOSの起動の早さに驚いた。使用したのは、OSにWindows Vista Home Premium (SP1)がインストールされたモデルで、電源をオンにすると、40秒程度で利用可能となった。5400rpmのHDDなら起動に1分以上かかる上に、起動後もHDDがカリカリ動いているだろう。この速さは感動モノだ。さすがSSD。

HDDに関してだけは、感動の最高値「5.9」

さっそくVistaのインデックススコアを確認する。プライマリHDDの項目は現時点での最高値「5.9」だ。実は HDDで最高値をたたき出すのは結構困難で、10,000rpmのHDDを使ったり、7,200rpmのHDDをRAIDで構成したりと、自作ユーザーでなければ手の届かない領域。それがSSDなら、いとも簡単にクリアできてしまう。もしスコアの最高値が変更されたら、6.0以上の数値になる可能性だってある。ヤバイ、SSDヤバイ。

さて、写真を見ればお気づきだと思うが、Vistaの総合的な快適さを表わす「基本スコア」は、かなり低めの「2.1」だ。これは、チップセットがIntel 945GMS Expressと、1世代前のモデルを採用しているため、グラフィック機能が弱いことに起因している。とはいえ、ゲームで遊ぶのでなければ十分実用的な性能で、事実今年の夏商戦ノートでも多くの機種がこのチップセットを採用している。

グラフィック表示に関して多少の不安はあったが、実際に使ってみると、そんな心配は吹っ飛んだ。今回使用したモデルでは CPUはCore 2 Duo U7600(1.20GHz)、メモリはPC2-4200 DDR2 SDRAMの1GBと特に高性能なわけではないのだが、体感速度はかなり速い。アプリの起動もウィンドウの操作も、まったくストレスを感じない。YouTubeなどの動画サイトでも、標準的な画質のムービーなら問題なく再生できた。システムのパフォーマンスチューニングを行なえば、もっと快適に動くだろう。さすがSSD。

とにかく素晴らしいSSDだが、不満がないわけではない。唯一どうにかならないかと思うのは価格だ。エプソンダイレクトの通販サイトでSSDを選ぶと、オプション価格として9万300円(80GB HDDとの差額)が上乗せされてしまう。自作パーツなら同じ価格帯で120GBのSSDを購入できる。この点が、唯一の不満。しかしながら、ほかのメーカーのSSD搭載機がはるかに高い値段(30~40万円台)で販売されていることを考えると、お得と言えるかもしれない(後述)。

ちなみに、Endeavor NA104ではSSDの代わりに5,400rpmや7,200rpmのHDDも選択できる。容量も80~200GBと幅広く選べるので、こちらを選択するのもアリだろう。