6月2日から6日まで、台湾・台北にてWiMAX関連の展示会「2008 WiMAX Expo, Taipei」が開催された。同時期に開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2008から、WiMAX関連の展示を分離独立したもので、台湾政府の無線ブロードバンドプロジェクト「M-Taiwan」のアピールも大々的に行われていた。本レポートでは展示内容のうち、特にコンシューマー向けの製品にターゲットを絞ってその様子をお届けする。

多数のWiMAX端末を展示する大衆電信

台湾のPHS事業者である大衆電信(FITEL)は、台湾北部でWiMAX事業免許を取得した3社のうちの1社である。同社はPHSの次世代サービスとしてWiMAX事業の開始に意欲的であり、免許を取得した全6社の中で最も早くサービスを開始すると予想されている。今回の展示会でも多数の端末を参考展示しており、2009年初頭とされる最初のサービスインに向けた準備が着々と進んでいることをアピールしていた。

WiMAX事業の具体的なサービスや端末の展示を行っていた大衆電信ブース

FICのWiMAX内蔵ノートPCを使ったデモ。商用サービス開始時のデータ転送速度はダウンロード/アップロードともに4Mbps前後を見込んでいるとのこと

モバイルインターネットサービスに重点を置くことから、ノートPC向けのPCカードやUSBタイプのWiMAXモデムを多数展示。D-Link、ZyXELなど無線LAN関連メーカーの製品が目立っていた

携帯電話タイプの端末として参考出品されていたAsusのWindows Mobileスマートフォン。ただし展示品はモックアップであり、市場に製品が出てくるまでには「まだしばらく時間がかかりそうだ」(説明員)とのこと

dmedia System、MIDタイプや携帯電話型端末のモックアップを出品

台湾のdmedia Systemはコンシューマー向けの製品となるMID(モバイル・インターネット・デバイス)や携帯電話型WiMAX端末のモックアップを展示していた。市場への投入は2010年末を目指している。今回展示された端末動作しないが、来年の年明けにアメリカで開催される、エレクトロニクス/デジタル家電関連の展示会「CES」では動作可能なサンプル品を展示する予定だという。

2種類展示されていた端末のうち、携帯電話型の端末としては唯一の展示ということもあってか、来訪者の注目も高かった。現時点では価格や販売方法は一切未定だが、自社ブランドとしての直接販売以外にも世界中のWiMAX事業者向けにOEM製品として出荷することも検討しているとのこと。また最初に製品を投入するのは北米や台湾など、WiMAXの実用化が進んでいる地域になるだろうとのことだ。

dmedia SystemのWiMAX対応MID端末「G400」のモックアップ。Webアクセスやメディアプレイヤーの機能に重点が置かれている

GPSも内蔵し、カーナビとしての用途も考えているとのこと

こちらは携帯電話型の端末。ディスプレイ部分と数字キー部分は、どちらもタッチ操作が可能なタッチパネルとなるそうだ

「3G was yesterday」という大胆なキャッチコピー