インテル マーケティング本部デジタル・エンタープライズ・グループ統括部長 徳永貴士氏

続いて、サーバ・プラットフォームに関して紹介した同社のマーケティング本部デジタル・エンタープライズ・グループ統括部長の徳永貴士氏は、プロセッサ単体だけではなく、システムレベルでの省電力化への取り組みについて紹介し、6月20日付けで公表された最新のSPECpower+ベンチマークで電力効率に優れたサーバとされた上位10機種すべてが同社のXeonプロセッサ搭載機種で占められたことを明らかにした。

また、運用効率の向上を目指した仮想化の普及に対する取り組みとしては、ハードウェアレベルで仮想化を支援する機構として組み込まれたVT-x/VT-iを、仮想化をサーバ統合等に利用する"Virtualization 1.0"に対応するものと位置づけ、さらに耐障害性やダイナミック・データセンターなどを実現する手段として仮想化を利用する"Virtualization 2.0"に向けた機能として「VT FlexMigration」「VT for Connectivity」「VT FlexPriority」「VT for Directed I/O」といった機能を順次実装していくとした。

SPECpower+ベンチマークにおける電力効率に優れたプラットフォーム上位10機種

具体的な製品として紹介された次世代のXeonプロセッサ「Dunnington」(開発コード名)は45nm High-kプロセスで6コアを搭載するプロセッサで、まずVT FlexMigrationが実装される予定。年内の出荷を予定しているという。

次世代のXeonプロセッサ「Dunnington」

さらに同氏はItaniumプロセッサの状況についても紹介した。同氏は2007年の出荷金額ベースでの市場シェアのグラフを示し、高額サーバ市場でItaniumが着実に市場に浸透し、RISC UNIXサーバを置き換えつつあるとした。

2007年の国内サーバ市場(「EPIC」がItanium、「CISC」はメインフレームのこと)

このグラフはなかなか興味深いデータを含んでおり、いろいろな状況が読み取れるだろう。Itaniumが最も高いシェアを獲得しているのは金額にして約500万~1,000万円程度のサーバで、このセグメントではRISC UNIXサーバとほぼ拮抗する状況が分かる。さらに上のセグメントではメインフレームが徐々にシェアを拡大し、オープン系サーバの比率は金額が上昇するにつれて低下する傾向だ。しかし、一方でx86系サーバもこうした高額セグメントでも利用されており、約5,000万~1億円という高額システムでシェアが高まっているのも興味深い。対RISC UNIXという視点ではItaniumは一定の成果を達成しつつあると見て良さそうだが、一方でx86系との棲み分けという点では、単純に上位セグメントをItaniumで、という形にはなっていないと見ることもできそうだ。

インテルの今後の予定