VIERAは、現在、プラズマの「PZ800」「PZ750SK」「PZ600」「PZ85」「PZ80」の5シリーズ、そして液晶の「LZ85」「LZ80」「LX80」「LZ8」の4シリーズで構成されています。この中で、37V型以上となるのは、プラズマテレビと液晶テレビのLZ85/80。VIERAシリーズでは大画面はプラズマで、そして中/小型モデルは液晶という商品構成になっています。ただし、プラズマのPZ600シリーズは、限定生産のためここではとりあげていません。
まず、プラズマですが、サイズ的には、65V型/58V型がラインナップされているPZ750SKが最上位モデルとなりますが、今年の3月に発表された最新モデル「PZ800」「PZ85」「PZ80」の3シリーズのほうが、パネルの性能などの面で上回ります。3シリーズは、最新のパネルと映像技術をつぎ込んだPZ800、最薄部79mmという薄型モデルのPZ85、スタンダードフルハイビジョンモデルのPZ80という構成です。3シリーズに搭載される新世代プラズマパネルは、予備放電を従来の1/3にまで減少させることで、黒の表現能力をアップさせ、30000:1という高コントラスト比を実現するというもの。現時点でのプラズマテレビの最高値となっています。
また、色域も、PZ85/80が搭載するパネルでは、HDTVの色規格「ITU-R BT.709」を100%カバー。PZ800に採用されている「広帯域プラズマパネル」では、デジタルシネマの色表現領域をほぼ満たしています。さらにPZ800では、「カラーリマスターシステム」も搭載されており、マスターに近い映像を映し出すことが可能となります。
映像信号は、最大18bitの処理が行われ、高い階調表現能力を実現。さらに、パネル表面には、写り込を低減するとともに余分な光の拡散を防ぐ「クリアピクチャーパネル」を搭載。暗い場所だけでなく、明るい場所でも見やすい画質を実現しています。
PZ800シリーズはデジタルダブルチューナーを搭載。PZ80以下のモデルはデジタルシングルチューナーを搭載します。ただし、PZ85/80でも、内蔵されているデジタルチューナーとビデオ入力、S/D端子、HDMI端子からの入力とでの2画面表示が可能です(HDMI端子からの映像は左側にのみ表示可能)。なお、PZ800のみアクトビラビデオフルに対応。PZ85/80以下のモデルはアクトビラベーシックにのみ対応します。
同社のテレビというと、リンク機能の話を外すわけにはいきません。当初はHDMIによるリンク機能だけでしたが、現在では、ネットワークや、メディアなどによるリンクも可能となっており、接続できる機器もレコーダーやサラウンドシステムだけでなく、ビデオカメラやテレビドアホンなども連携可能となっています。テレビドアホンを利用する場合、以前はPLCアダプターを使用するようになっていましたが、新モデルの「VL-SWN350KL」、「VL-SWN355KL」(ファクシミリ付き)では、通常のネットワークでの接続が可能となっています。
なお、PX80はフルHDではなく、パネルは50V型のTH-50PX80が1366×768、42V型のTH-42PX80が1024×768、37V型のTH-37PX80は1024×720となっています。
現時点でのプラズマテレビ中最高のコントラスト比を誇る「PZ800」シリーズ。帯域の広さや、カラーリマスターシステムなど、スポーツ中継を見るだけではちょっともったいないのではと思えるようなハイグレードモデル |
シリーズ | 画面サイズ | 型番 | フルHD | 映像エンジン bit数 | 暗所 コントラスト比 | デジタルダブル チューナー | リンク機能 |
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PZ750SK | 65 | TH-65PZ750SK | ○ | 最大16bit | 10000:1 | ○ | ○ |
58 | TH-58PZ750SK | ○ | 最大16bit | 10000:1 | ○ | ○ | |
PZ800 | 50 | TH-50PZ800 | ○ | 最大18bit | 30000:1 | ○ | ○ |
46 | TH-46PZ800 | ○ | 最大18bit | 30000:1 | ○ | ○ | |
42 | TH-42PZ800 | ○ | 最大18bit | 30000:1 | ○ | ○ | |
PZ85 | 46 | TH-46PZ85 | ○ | 最大18bit | 30000:1 | - | ○ |
42 | TH40PZ85 | ○ | 最大18bit | 30000:1 | - | ○ | |
PZ80 | 50 | TH-50PZ80 | ○ | 最大18bit | 30000:1 | - | ○ |
46 | TH-46PZ80 | ○ | 最大18bit | 30000:1 | - | ○ | |
42 | TH-42PZ80 | ○ | 最大18bit | 30000:1 | - | ○ | |
PX80 | 37 | TH-37PX80 | - | 最大18bit | 15000:1 | - | ○ |
続いて液晶テレビです。同社は、フルハイビジョンはプラズマで、小型の液晶テレビのフルハイビジョン化は行わないという方針でしたが、さすがに時代の流れで37V型/32型にフルハイビジョンモデルを投入してきています。
「TH-37LZ85」「TH-37LZ80」のどちらもフルハイビジョンですが、LZ85のみ、倍速液晶を搭載しています。両モデルとも、映像を1フィールドごとに分析して、γ値調整を行う「ダイナミックコントラストエンハンサー」、バックライトコントロールを行う「インテリジェントバックライトコントローラー」を搭載しており、テレビセットとしてのコントラスト比は、10000:1となっています。チューナーはどちらもシングルですが、プラズマのPZ85/80と同様に、内蔵チューナーと外部入力との2画面表示が可能です。
シリーズ | 画面サイズ | 型番 | フルHD | 映像 エンジン | 倍速 | コントラスト比(*1) | デジタルダブル チューナー | リンク機能 | シーンによる バックライトコントロール |
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LZ85 | 37 | TH-37LZ85 | ○ | - | ○ | 10000:1相当 | - | ○ | ○ |
LZ80 | 37 | TH-37LZ80 | ○ | - | - | 10000:1相当 | - | ○ | ○ |
*1松下電器産業の液晶テレビで表示されるコントラスト比は、パネル単体のものではなく、バックライトコントロールを含めた、テレビ全体での値 |