Q.14 ツーリングに使う場合を想定し、向き不向きを判断せよ

【A】前傾姿勢で腕が痛くなってしまうと思う。緊張して乗っているせいか、力が入りすぎて肩がとても凝った。軽いバイクなので、立ちゴケしても荷物を下ろしてなんとか頑張れば起こせるかもしれない。慣れればワインディングとかも面白いに違いない、とワインディングが苦手な私にも思えたバイク。キャンプツーリングではどうやって荷物を積もうか? と積載に頭を悩ませそう。

【B】ポジションが非常にラクで疲れないので、一般道はもちろん、フルカウルなので高速を頻繁に利用するライダーにもお勧めできる。フルカウルといえども非常に気楽に乗れるので、長距離ツーリングにもいいのではないか。

【C】100km/hは6速7,000rpm。極めて平和な世界。安定性は非常に高く、バイクに身をゆだねて巡行できる。そういった意味ではツーリング向き。一般道でパワーバンド以下で流して走行するような場合でも、いい意味でダルに走ることができ、疲労は少ないだろう。難点は荷物が積みづらいところだが、工夫次第でなんかなるレベル。ちなみに今回の燃費は平均22.4km/Lだったが、タンクが17Lもあるので、計算上の満タン走行距離は380kmにもなる。これはちょっとすごい。

Q.15 元気に(スポーツっぽく)走った場合の印象を述べよ

【A】無理無理無理無理無理!!

【B】低回転だとアクセルのツキが悪く、ぎくしゃくしがちだが、高回転まで回せば音もレーシーな雰囲気になる。一気に吹け上がるようなパワー感はないが、回しただけのパワーは出ているという印象だ。ただ、せっかくスーパースポーツの形をしているのだから、低回転でももっとレスポンスのよい味付けにしてもらいたい。

【C】楽しいの一言に尽きる。最初は安定指向に感じる車体も、7,000rpmを超えると軽く動くようになる。それも不安な軽々しさはなく、適度な重さを感じたままリーンする。サスペンションはストロークが少ない設定で、ほとんどピッチングも起きない。旋回は大排気量のように荷重で曲がるのではなく、リーン角に比例して曲がっていく。傾ければ傾けるだけ旋回していく感覚。エンジンは8,000~12,000rpmをキープし、細かなシフトチェンジで回転を落とさないように乗るとかなり速い。まさに軽量スポーツバイクの典型的なスタイルだ。125ccレーサーのようにカウルに伏せたままコーナーに進入するのが似あう。ちょっと手を入れてやれば、下りのタイトコーナーでYZF-R1のインが刺せるはずだ。全開で走っても車体は非常にしっかりしていて、不快な動きはしない。安心して開けられる。安価なバイクだが、ちゃんと金をかけるべきところには金をかけている。コイツはいい。

Q.16 一服しつつ、改めてニンジャ250Rを眺めたときの印象を述べよ

【A】よく転ばずにここまで来た。意外に運転しやすい。練習すれば格好良く乗りこなせるようになるかも? と思わせるくらい扱いやすいバイク。乗りこなせないリッターバイクを乗っている人より、ニンジャ250を乗りこなしている人の方がカッコイイと思う。

【B】フレームがブラックアウトされているため、非常に精悍な印象。久々に250ccレプリカが復活したという実感を感じる。

【C】細いタイヤに目が止まった。リヤの130サイズはホンダのVTRよりも細い、どころか、2気筒以上の250ccとしては一番細いのではないか。この細いタイヤが軽量スポーツバイクとしての楽しさを担っているようだ。少々窮屈なボジションも、それらしく走ると納得がいく。眺めれば眺めるほどよく考えてあることに気付く。

Q.17 自分のバイクとして所有する場合、手を入れたい点はあるか?

【A】これだけカッコイイと、家に置いておくときのセキュリティ面が心配。通勤には辛いけど、セカンドバイク(週末ツーリング用)なら欲しい。

【B】不満点はほぼない。ただ、こういう形であるからには、レーシーなデザインやサウンドの社外マフラーを入れたいところ。

【C】手を入れたいところはけっこうある。まずスプロケットを交換してショートにしたい。ノーマルはたぶん5速で最高速が出る設定だが、6速までフルに使えるように変更。これでスポーツ性はもちろん、日常域での元気さも上がるはず。ハイスロットもほしいところ。お金があればサスペンションをもっといいものに交換して、跳ねぎみになるリヤを落ち着かせたい。ノーマルの調整機構はリヤのプリロードしかなく、せめてリヤの減衰力伸び側調整ぐらい欲しいので、サスペンションを交換すればこれも可能になる。あとはブレーキをもう少しコントローラブルにしたい。いずれにしても基本がしっかりしているので、手を入れれば入れただけ良くなっていくはず。

Q.18 どういったライダーに乗ってほしいか、願望を含めて述べよ

【A】10代20代のカッコイイ男の子にに乗ってほしい。小僧は却下! もしくはサーキット走行が趣味な大人。

【B】スーパースポーツのルックスにはあこがれるが、キツイポジションや2年ごとの車検がツライというユーザーにオススメ。また、250クラスのバイクで長時間の高速走行や、長距離ツーリングをするようなライダーにも勧められる。

【C】女子高生。できればサラサラのロングヘアー(願望)。ちゃんとスポーツバイクとして乗れることが前提だけど、ぜったいにカッコイイから。

Q.19 そのほか、ここまでで書ききれなかったことはあるか?

【A】もう、運転できて満足です。

【B】ラゲッジスペースの少なさや、省略された燃料計、片方向しか利用できないハンドルロックなど、もうちょっと充実してほしい装備もあるが、それでもこれだけのバイクを50万円を切る価格で出してくれたということはすばらしいと思う。少々不便なところもあるが、250ccだからといってデザインに妥協が感じられない点がユーザーにとってはうれしいところだ。

【C】カミさんがニンジャ250Rを見て、「え? これが250なの?」と言っていた。もっと大きく見えるらしい。

Q.20 この時世にブランニューの250モデルを投入したカワサキに賛辞を述べよ

【A】全国のちびっ子ライダーにスポーツバイクの楽しさをありがとう!

【B】発表時に写真は見たが、実写を見て素直にかっこいいバイク、と思えるデザインだった。現状で、250ccクラスのオンロードスポーツは唯一無二の存在になってしまっているが、すでに人気は非常に高いようだ。冷え切ったこのクラスに、ニンジャ250Rを投入したカワサキには賞賛を送りたい。こうしたムーブメントがぜひ他メーカーにも飛び火することを祈りたい。

【C】カワサキは、若いライダーにスクーターばかりではなく、もっとスポーツバイクに乗ってほしいという願いを込めてニンジャ250Rを作ったという。その想いは強く伝わってくる。コスト制約の厳しいなか、必要なところはしっかり作り込み、必要なものはなくしていない。なにより、日常域の扱いやすさと高いスポーツ性をちゃんと両立しているのがすばらしい。今後、このバイクでライディングの楽しさを知るライダーは少なくないだろう。カワサキはいいバイクを作った。

Uターンを試す。ターンのしやすさは一般的なレベル

Uターン、その2。ネイキッドモデルほどポジションが立っていないので多少注意が必要

Uターン、その3。ハンドルをいっぱいまで切り、半クラッチで旋回している

リヤシート下のスペース。といっても、あまり期待できない

リヤシートを外すとヘルメットホルダーが現れる。左右2個を装備

ヘルメットを付けた状態。かなりキツいので、短いワイヤーなどがあるといい

リヤシートの裏側。ボディに引っかける部分(赤い○の部分)が浅く、装着には少々コツが必要

ウインカー脇にある荷かけ用のフック

リヤステップのガードも荷物の固定に利用できる

スポーツバッグを積んでみた。中身が柔らかいためか、見た目より安定している。ただし、ゴムひもがシートカウルに当っている

撮影:加藤真貴子 (WINDY Co.)
レポート:西尾 淳/平雅彦/加藤真貴子 (WINDY Co.)