中島先生は、人間が笑った後における身体の変化を研究していて、さまざまな事例を紹介してくれました。入院患者に落語を聞かせて脳や身体の変化を調べてみたところ「血糖値が低下」、「中性脂肪が減少」などといった現象が見られたそうです。
同じく脳波を調べてみると、α波とβ波の両方が増える傾向にあるというんです※。矛盾してそうですが、中島先生の患者さんは脳に疾患のある人なので、脳の機能が正常に近づくと考えてよいかもしれません。
※α波は、リラックス状態の時に多く出現する。β波は覚醒時の精神活動が活発なときに多く出現する。特にイライラしている時に多く出現するという
さらに、笑うと脳の血流量も上がるんだとか。特に記憶の中枢を担う脳深部での増加率が一番高かったといいます。中島先生は「この実験の結果、笑う時には、記憶に何か関与することがわかります。例えば、過去に面白い記憶があるとそれに摺り合わせたんじゃないか」と推測しています。
"笑いは脳の活性化と癒しの効果を同時に起こす"としていますが、他の実験とともに、もちろん個人差があります。中島先生も「今後も症例数を増やしていく」としていますので、今後の実験と研究のさらなる成果に期待したいものです。
小さい頃からお笑い番組が大好きで、親からは「一臣(仮名)、くだらない番組ばかり見てないで勉強しなさい!」なんてよく怒られたものですが、これからは「父さん、笑いは脳を活性化するんだよ」と言い返せますね。
もっと詳しく笑いと脳の関係を知りたい人は、中島先生の著書が発売されていますので、こちらのラインナップからご確認下さい。