南港の新会場でも一際注目を集める巨大ブースを展開していたのがMSI。最初はもちろんマザーボードに目が行ってしまうが、Atom搭載のミニノート「MSI Wind Notebook」をはじめ、あらゆるコンピュータ関連製品が出展されており、話題は盛りだくさんだ。
COMPUTEXは例年、ある種"お祭り"に近い雰囲気を持っており、そんなわけでブース内では液体窒素を使ったオーバークロックチャレンジのイベント。筆者が通りかかった時はクアッドコアのCore 2で5.20GHzを記録していた |
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そのオーバークロックイベント時の様子なのだが、よく見ると"素手"。マジですか…… |
新型マザーボードは宝島状態
Intelの次世代CPU「Nehalem」に対応した「Tylersburg」(開発コード名)チップセットを採用するというマザーボード「MSI X58」を紹介したい。デスクトップ向けでは2008年Q4の登場が見込まれているプラットフォームで、CPUアーキテクチャの刷新のみならず、CPU側へのメモリコントローラの内蔵や、バスインタフェースを新たにQPI(QuickPath Interconnect)に置き換えるなど、この世代ではチップセット/マザーボード側も大幅に進化する。
実はこれ、近くのIntelブースに展示されていたもので、MSIブースではどのスタッフからも突っ込んだ情報を聞くことができなかった。しかしながら、発売時期では「今年Q4の早い時期に発売予定」とか、「思っているより早く発売できる」といった話が出ていたので、少なくともチップセットに関しては順調なのだと見られる。なお、Tylersburgのマザーボードについては別記事でもまとめて紹介するつもりだ。
未発表チップセットでは、AMDプラットフォーム向けの「AMD 790GX」チップセットを採用するマザーボード「K9A2GX-Digital」も発見することができた。未発表のため詳細は不明だが、AMD 780Gの上位版と位置づけられているそうで、Hybrid CrossFireへの対応が特徴だそうだ。Intelプラットフォーム向けの同社マザーボードでは採用が開始されていた「DrMOS」も備えており、省電力性や安定性にも期待が持てる。
Intel Atom搭載のMini-ITXマザーボード「Wind Board」も大々的にアピールされていた。CPUは動作周波数1.60GHzのAtom 230(45nm Diamondvill)、チップセットはIntel 945GC+ICH7という構成。メモリはDDR2-667 SDRAMが利用でき、拡張スロットはPCI×1、グラフィックスにはGMA 950を内蔵する。
Wind Boardは省電力が大きな魅力で、同社はスタンダードなマイクロATXと比べて消費電力を80%程削減していると謳っている。ブースではこのWind Boardを3枚スタックし、それぞれでHD動画をプレイバックするデモを行っていたのだが、その際の消費電力は3枚合計でも大体86W前後と非常に低く抑えられていた。
続いても省電力繋がりで。デスクトップでもある程度電力効率に優れたCPUが浸透し、最近はさすがに一時期ほどの勢いはなくなったMoDTだが、それでも低消費電力なモバイルCPUをデスクトップで使うメリットは依然として大きい。そんなわけで、最新のMontevina世代のモバイルチップセット「Cantiga」(開発コード名)を採用するマイクロATXマザーボードが出展されていたので紹介したい。
Cantigaマザーボードといえば、同社はCeBIT 2008でもMini-ITXの製品を出展していたが、今回出展の製品はボードサイズこそ多少大きくなるものの、メモリにDDR2 SDRAMが使えたり、PCI Express x16スロットを備えていたりと、一般的な用途での使い勝手はこちらの方が上だろう。