AMDは、COMPUTEX TAIPEI 2008にて次世代のモバイル向けプラットフォーム"Puma"を発表した。あわせて、新しいモバイル向けGPU「ATI Mobility Radeon HD 3800シリーズ」も発表されている。

Pumaプラットフォームは、CPUが「AMD Turion X2 Ultraデュアルコア・モバイル・プロセッサ」、チップセットは「AMD 7シリーズ・チップセット」、グラフィックスは「ATI Radeon HD 3000シリーズ」で構成される。無線LANチップに関しては「ベター・バイ・デザイン」を継続し各社のチップを組み合わせることが可能とされる。

AMDの次世代モバイルプラットフォーム「Puma」

Turion X2 Ultraは、Independent Dynamic Core Technologyを装備しHyperTransport3.0への最適化されているほか、モバイル用に最適化されたメモリコントローラを搭載しているとされる。AMD M780Gと接続されるHyperTransportのバス幅を、高負荷時はx16、負荷に応じて下りのみ半分としたり、あるいは両方を停止させることも可能とされている。

高負荷時は上り下りともx16接続

任意にx8まで動作を落とすことも

上り下り双方を停止することも可能

チップセットのAMD 7シリーズは、グラフィックス機能「ATI Radenon HD 3200」を統合した「AMD M780G」が中心となる。ATI Radenon HD 3200はDirectX 10に対応しており、また、UVDを備えHDビデオの再生支援が利用できる。なお、この段階では"シリーズ"とされており、AMD M780Gの他にもラインアップされている可能性もありそうだ。

また、AMD M780GチップセットにATI Radeon HD 3000シリーズを組み合わせた場合、デスクトップ版のAMD 780Gと同様、Hybrid CrossFireXで内部GPUと拡張GPUを切替え可能。シチュエーションに応じてどちらを優先するかを選ぶことができる。こうした省電力機能を同社ではATI PowerXpressとも呼んでいる。今回の新製品であるMobility Radeon HD 3800シリーズはモバイル向けGPUのハイエンドに位置する。製品展示から確認できたラインアップは、Mobility Radeon HD 3850、Mobility Radeon HD 3870。

別途GPUを搭載することでグラフィックパフォーマンスを向上可能

AMD M780G統合GPUを用いてバッテリーセーブをしたり

高負荷時には追加した高性能GPUを利用するように、用途に応じた利用が可能

チップセットの機能のひとつとなるHDビデオデコーディングでは、Intel GMA X3100の5倍というHQVベンチマークのスコアを示し、また、IEEE802.11 Draft n無線LAN機能では、Athros製チップを用いた場合としてIntel 4965AGNとの転送速度比較をグラフで、そしてグラフィックスパフォーマンスでは、Turion X2 Ultra ZM-80とATI Radeon HD 3200、Core 2 Duo T8100とGMA X3100の組み合わせを比較し3倍というパフォーマンスをアピールしている。

HDビデオデコーディングにはAMD M780GチップセットのUVD機能が利用できる

AtherosのIEEE802.11a./b/g/nチップの性能もアピール