組込み分野では国内最大級の展示会「組込みシステム開発技術展(ESEC)」が14日~16日、東京ビッグサイトにて開催された。完成品に組込まれ、一般にはあまり目にすることがない分野の製品ではあるが、Mini-ITXマザーボードのように、中にはショップで普通に売られているものもある。ここではそういった製品を中心にレポートしたい。

ESECの会場。今年は東展示棟の半分を使って行われていた

Isaiahは気配すらなかったが……

まずはもちろんVIA Technologiesのブース。同社は先月、1チップ構成の「VX800」チップセットを発表したばかりだが、これを搭載するMini-ITXマザーボード「EPIA-M700」を早速展示していた。

Mini-ITXマザーボードの新製品「EPIA-M700」

バックパネルの出力はDVIになっていた

VX800は、グラフィックコアが「Chrome9 HC」に強化されたチップセット。このグラフィックコアはCN896にも搭載されていたが、VX800はノースブリッジとサウスブリッジが統合された1チップソリューションである点が異なる。Pico-ITXには前世代のVX700が搭載されていたので、そちらに搭載される計画もあるとか。

CPUは、ファン付きのC7/1.8GHz(FSB:800MHz)とファンレスのC7/1.0GHz(FSB:400MHz)の2種類が用意される。メモリスロットは1本で、DDR2-667に対応。拡張スロットはPCIが1本。量産は今年Q3~Q4に開始されるとのことだ。

もう1つ注目は、Pico-ITXフォームファクタの新製品「EPIA-P700」。Pico-ITXとしては、最初に登場したEPIA PXに続く2製品目だ。こちらはCPUとチップセットに変更はなく、主にI/Oまわりの改良となっている。

EPIA PXはVGAとLANのみオンボードで、そのほかのI/Oをピンヘッダから取り出すようになっていたが、EPIA-P700は全てピンヘッダになっており、拡張I/Oボードが2枚付属する。それに伴い、グラフィック出力がDVIに変更されたほか、LANもギガビット対応になった。こちらの量産は7月頃となる見込み。

左が新製品の「EPIA-P700」で、右が初代Pico-ITXの「EPIA PX」。レイアウトはかなり異なる

拡張ボードを取り付けると、こんな感じになる。手前はUSBとオーディオ、奥はDVIとLANとCOMポート

ところで、EPIA-M700/P700という製品名が気になった人もいるかもしれないが、どうやらネーミングルールが変わったようだ(初期にはEPIA Mシリーズもあったので紛らわしい)。これまでは10000などの数字がクロックを表していたが、カタログを見ると、例えばEPIA-P700は1.0GHz版がEPIA-P700-10L、500MHzファンレス版がEPIA-P700-05LEとなっている。今後注意したい。