--オンラインデスクトップを開発しようと思ったきっかけは?
インターネットバブルが崩壊する前の1999年ごろのことです。
私は米ニューヨークを拠点に、メキシコにいる友人とよく旅行していました。アジア、南アメリカ、アフリカとあちこちに行きましたが、どこにいってもほぼ必ずインターネットがあります。あちこちの町のインターネットカフェから、Hotmailを利用して両親や友人に電子メールを送っていました。
Webメールは非常に便利です。アフリカの小さな町でインターネットカフェを利用しながら、「ほとんどの町にインターネットはある。そこから、Webメールの感覚で自分のコンピュータ環境にアクセスできればどんなに便利だろう」と思いました。そうすれば、私のように世界中を旅行する人、さまざまな端末を使う人は同じ環境を利用できます。インターネット接続、端末、Webブラウザさえあれば、場所も端末の種類も問いません。それだけでなく、HDDが壊れたら、紛失したり盗難に遭ったら、という心配もなくなります。
Hotmailはマスにリーチした最初のWebアプリケーションです。Webメールから一歩広げて、デスクトップ全体をWebメールのように利用できれば、という思いがきっかけです。
着想してすぐに起業したわけではなく、しばらくは友人と技術面とビジネスアイディアを磨きました。最終的には、バブルが崩壊した2003年、本格的に"オンラインデスクトップ"としてスタートしました。バブルは崩壊していましたが、タイミングとしてはよかったと思います。この間、インターネットはさらに普及/浸透し、開発ツールは格段に洗練され、容易になりました。オンラインデスクトップの提供に必要な技術はすべて揃ったと実感しました。
当初、メキシコで開発していたので、最初のバージョンはスペイン版で提供しました。どのような反応があるかと、実験的にインターネットで公開してみたところ、かなりの反響がありました。このような機能がほしいなどのフィードバックも寄せられるようになりました。そこで、パイロット版として正式に公開することになりました。
2005年、メキシコ政府より50万ドルの助成金を受け、2006年8月にDesktoptwoのベータ版を正式ローンチしました。