「我々はMIer」 - KCS Motionでモバイルを中心にしたソリューションを提供
「システムインテグレータのことを『SIer』といいますが、我々はいわば『MIer』――モバイルインテグレータです。各キャリアのいろいろなサービスをまとめて、ソリューションとして提供しています。」と西牧氏は語る。具体的には、どのようなことを行っているのだろうか。
「皆様の身近なところから話せば、兼松コミュニケーションズは携帯電話ショップの運営などを行っている会社なのです。」(西牧氏)
携帯電話回線を販売できるのは、キャリアの一次代理店のみ。同社は、NTTドコモやau、ソフトバンクモバイル、イー・モバイル、Willcomといった各キャリアの一次代理店となっており、全国に携帯電話ショップを展開している。
「当初は個人向けの販売だったのですが、キャリアから指導される形でショップの一画に法人向けの窓口を置いたのが法人事業部の始まりです。その後、法人営業部を社内に置き、積極的に営業活動を行うようになりました。はじめは4人で営業に回っていたのですが、現在は約100人になりました。取引先は300~400社あります。」(西牧氏)
法人営業本部では、携帯電話端末器の販売、回線の開通、料金やサービスのコンサルティングなども行っている。ここまでは個人向けの営業とほとんど変わらない。法人向けの業務においては、ここに請求書の処理や回線管理といった要求があるという。
「大手企業では、1社で1,000~2,000台の携帯電話を保有するといったことも珍しくありません。また、携帯電話は爆発的に普及しました。そのため管理方法を決める前にどんどん購入してしまい、"誰がどういった番号の携帯電話を持っているのか"、"全部で何台あるのか"がわからないといった企業も多くあります。さらには、これらの携帯電話の請求書を社内でどうやって処理するかという問題もあります。1,000台の携帯電話があれば、1,000通の請求書がやって来る。また、法人契約の携帯電話の場合は、請求書に法人名と電話番号しか載っていないので、誰が使ったのかが分からない。経理部門は大変です。こういった悩みを解決し、各企業の業務を効率化するために開発したのが『KCS Motion』です。」(西牧氏)
KCS Motionは、ASPサービス(インターネットを通じてビジネス用アプリケーションを利用できるようにするサービス)で、2001年5月にスタートした。請求書の整理や回線管理以外にも、利用履歴をもとにした料金プランの提案、携帯電話の購買業務、人事異動による管轄変更といったことがWebブラウザから簡単に行える。
転職などを経験した人にはよくわかると思うが、経理システムは各企業それぞれで、100社あれば100通りのやり方がある。そこで、KCS Motionは企業ごとにカスタマイズして提供している。
「企業の経理システムを変更するのはとても難しい。そのため、KCS Motionはその企業に合わせて開発します。そうしなければ、業務の効率化とはなりません。」(西牧氏)