時代は「マルチコア」である。ハイエンドCPUはすでに4コアに移行しており(プラットフォームレベルでは8コアも)、1万円以下のエントリー向けCPUでさえ、いまや普通にデュアルコアを購入することができる。筆者のように、「2万円以上のパーツは買わない」というようなコスト重視派にとっては、非常にいい時代になったものである。
というわけで、今回は低価格CPUに注目してみたい。Intel・AMD両社のローエンドデュアルコア製品を使用して、その性能をチェックしてみよう。
安くても機能は一緒?
今回テストに使用したのは以下の4モデル。AMD側は「Athlon 64 X2」、一方Intel側はバリュー向けブランドの「Pentium Dual-Core」となるが、表を見て分かるとおり、どちらも価格帯は大体70ドル前後。店頭実売価格にしても1万円以下で購入できるものに揃えている。
使用した各モデルの主な仕様※価格は各社価格表による1,000個ロット時の単価(調査日:4月21日)
ブランド | ||||
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モデル | 4200+ | 4400+ | E2160 | E2180 |
パッケージ | Socket AM2 | Socket AM2 | LGA775 | LGA775 |
製造プロセス | 65nm | 65nm | 65nm | 65nm |
動作クロック | 2.2GHz | 2.3GHz | 1.8GHz | 2.0GHz |
L2キャッシュ | 1MB(512KB×2) | 1MB(512KB×2) | 1MB | 1MB |
TDP | 65W | 65W | 65W | 65W |
OPN/sSpec | ADO4200IAA5DO | ADO4400IAA5DO | SLA8Z | SLA8Y |
価格 | 68ドル | 78ドル | 64ドル | 64ドル |
AMD側で使用した4200+/4400+は同社「Athlon 64 X2」シリーズのローエンドCPUとなるもの。同ブランドの上位モデル(例えば6000+など)と比較すると、動作クロックが低く抑えられているほか、L2キャッシュ容量が半分になっているといった違いはあるが、コアのアーキテクチャ自体は同一で、CPUの機能に変わりはない(ただし"Black Edition"には倍率可変という特殊な機能も備わっている)。ローエンドとは言っても、製造プロセスも最新の65nmプロセスが採用されている。
一方Intel側で使用したE2160/E2180だが、こちらは前述の通り、メインストリーム向けの「Core 2 Duo」とは異なる「Pentium Dual-Core」ブランドの製品となる。しかし「Pentium」とはいっても、以前の「Pentium 4」や「Pentium D」などのNetBurstマイクロアーキテクチャではなく、Core 2 Duoと同様にCoreマイクロアーキテクチャが採用されており、別ブランドになっているのは単に戦略的な問題であるといえる。ただし、L2キャッシュは1MBと、ローエンドCore 2 Duoの半分に抑えられている。