レノボから2月26日にリリースされた「ThinkPad X300」は、13.3型ワイドWXGA+(1,440×900ドット)液晶を搭載したモバイルノートパソコンだ。正式発表前から、海外の情報サイトなどでアップルの超薄型ノートパソコン「MacBook Air」と同様の軽量・薄型ボディを採用しているとの情報が流れ、軽量・薄型化を実現するためにどのような機能の取捨選択が行われるのかがファンの間で大きな注目を集めていた。本稿では、ThinkPad X300の性能ベンチマークとあわせて、各機能や使い勝手などについて紹介しよう。

レノボ「ThinkPad X300」

新ロゴが採用され、ThinkPadブランドが前面に押し出されている

現在のThinkPadのラインナップには、15.4型ワイド液晶を搭載した据え置き型のA4ワークステーション「ThinkPad R61シリーズ」、14.1型ワイド/15.4型ワイド液晶を搭載したA4スリムモバイル「ThinkPad T61シリーズ」、タッチパネル付き12.1型液晶を搭載したB5コンパクトタブレット「ThinkPad X61 Tabletシリーズ」、12.1型液晶を搭載したB5モバイルノート「ThinkPad X61シリーズ」の4シリーズが用意されている。ThinkPad X300は、シリーズとしてはThinkPad Xシリーズの最上位機種という位置づけながらも、13.3型ワイド液晶を搭載したそのボディサイズからThinkPad Tシリーズに近い使用感を実現したのが特徴だ。まさに、Xシリーズの携帯性とTシリーズのパフォーマンスを兼ね備えたプレミアムモバイルマシンといっていいだろう。

「ThinkPad史上最薄」の呼び声は伊達ではない!?

ThinkPad X300は搭載メモリ量と保証期間の長さによって3モデルに分けられている。ラインナップは、1GBメモリと1年保証が付属する「647612J」、647612Jと同じハードウェア仕様ながらも3年保証となる「647816J」、2GBメモリと3年保証が付属する「647818J」だ。今回のレビューでは、647612J、または647816Jに相当する試作機を試用している。

まずは本体サイズと重量から見ていこう。ThinkPad X300の本体サイズは318(W)×231(D)×18.6~23.4(H)mm。厚みはThinkPad X61シリーズやThinkPad T61シリーズと比較して最厚部で8~12mm程度、最薄部でも2~9mm程度薄くなっていて、ぱっと見ただけでも大幅な薄型化が図られていることがわかる。また、本体がヒンジ部からパームレスト側に向かって徐々に薄くなっていくくさび形ではなく、ほぼ厚みが変わらないフラットな形状になっているので、カバンへの出し入れがスムーズで、一緒に入れた書類などのかたよりが発生しにくい。重量については、液晶サイズがひとまわり小さいThinkPad X61シリーズとほぼ同じ1.42kgで、フットプリントから予想される重量に対して手に取った時の意外な軽さに新鮮な驚きを覚えた。