これがESAの管理方法だ!
それでは早速ESAを使ったシステム管理のポイントを見ていこう。環境の構築は特に難しくなく、ソフト的には最新のnForce用ドライバを入れるだけでESAを使ったシステム管理が可能になる。以下スクリーンショットを中心にESAの管理ツールの概要をチェックすることにしよう。
ESAの管理ツールは「NVIDIA System Monitor」となっている。クイックリンクのアイコンをクリックして起動する |
どこぞの10フィートUIの香りがするNVIDIA System Monitor。認識されたデバイスが中央に3Dで表示され、それに対応した情報が下段に表示される仕組み |
今度は手持のグラフィックスカードの中から前世代の8600 GTSを装着してみたところ。今回あまりにも古い世代のボードは手持がないので試せなかったが、NVIDIA製GPUを搭載しているなら最新でなくても監視できるようだ |
電源ユニットは各電源ラインの供給電圧のほか、電源ユニット自体の温度も監視できるようになっている |
最終的にはこんな感じでデスクトップ上に直接表示させることができる。欲をいえばVistaのサイドバー形式でのツールもあればよいのだが…… |
NVIDIA System Monitorは指定した監視対象をログに記録する機能も搭載されている。ログの習得はホットキー一発でオン・オフできる点はよいが、フォーマットはXMLなので実際に使うには何らかのパーサが必要になるだろう |
また、お馴染み「NVIDIAコントロールパネル」内にもESA対応の機能が追加される。こちらもスクリーンショット中心で内容をチェックしてみよう。
NVIDIAコントロールパネルの左ペインに「Device Settings」を開くと、CPUやマザーと共にシステムに認識されたESAデバイスの一覧がアイコンで表示される。CPUやGPUのようにチューニング可能なデバイスならここでオーバークロック等の設定が可能だが、電源ユニットのように情報を表示するだけのデバイスもある |
ファンの回転数設定はオマカセでも十分静かだが、自分で細かく設定したい場合は「Device Rules」欄に新しいルールを設定する。温度と回転数の関係は写真のレタッチにおけるトーンカーブ操作の要領で行なうのだ |
まとめ : 対応デバイスの拡がりに期待
ざっと駆け足でESAの概要を見てきた訳だが、自前で別途「SpeedFan」のようなツールを用意し、自分の環境にあわせてチューニングする手間を考えれば、ESAは格段に高機能かつ楽な管理手法だといえる。ただし、今回のように電源ユニット・ケース・水冷ユニットの3つを組み込むとマザーのヘッダピンを3ポート分潰してしまうため、一般的な構成のマザーではケース側のフロントUSBを諦めねばならない、というのが少々辛い点だ。さらに各デバイスから様々なケーブルが伸びるため、ケース内部のケーブル回しが面倒になるのも少々困った点だ。
最大のネックは対応デバイスの価格だが、(金に糸目をつけないのがエンスージアストであるし……)少々割高になっても安心感を買うと思えば手が出せないわけではない。今後ESA対応デバイスが増え、さらに他社製チップセットを搭載したハイエンドマザーに採用されるようになれば、さらなる発展も臨めるだろう。Quad SLIやCPUのフラッグシップモデルを躊躇なく購入できるPCのエンスージアストはもちろんだが、ちょっと背伸びをしたい一般ユーザにも使えるような規格になることを期待したい。