就職後に月光族になるも、雑誌でネット家計簿を知って奮起
ネット家計簿は、その基本機能においてはあらゆるサイトで大同小異だと言えるが、インタフェースやメニューのデザイン、使い勝手、オンライン広告の巧みさ、ユーザーによるカスタマイズ設定の可否、Unicodeサポートの有無、ユーザーランクの付け方やバーチャル貨幣(帳幣)の設定などの細部で、各サイト独自の特色が見られる。
大手出版社に勤める張氏(仮名)は、家計管理など全く分からず、就職してから月光族となった。毎月月末になると、食べ物を買うお金にさえ困るほどだった。昨年6月末、ある雑誌に掲載されたネット家計簿を紹介する記事に啓発され、ネット家計簿を開設した。
それからは毎日のように当日の支出を漏れなく記入、出費の合理性をチェックするようになった。「ネット家計簿をつけるようになってからは、自分の支出で何を削減すべきかなどが明瞭になった」と話し、現在は住宅購入のための頭金とすることを目標に、節約と貯金に努めているという。
利用者が後続を教えるケースも
同じく、ネット家計簿にハマった王氏(仮名)は、夫と同じく月光族だった。昨年春、親から住宅を購入する頭金を工面してもらい、毎月のローンを夫婦で支払うことになった。それからというもの、家計が急に逼迫(ひっぱく)し、銀行からローン支払いの催促をうけたこともあった。
家計を改善するため、王氏はネット家計簿を始めた。ネット上で自分の支出を公開し、サイトで知り合った友達からアドバイスを受けながら、毎月の収支を見直すようになった。昨年秋頃から、王氏の家族も、ローンを無理なく支払えるようになった。王氏は現在、自らの経験を生かし、サイトで月光族に家計改善の方法を教えながら、ネット家計簿の使用を強く勧めているという。
ネット家計簿の効用に目覚めたのは、何も月光族だけではない。公務員の趙氏(仮名)には、もともと家計簿をつける習慣があった。だが、これまで家計簿では、支出の分類や統計に手間がかかる。ネット家計簿を使えば分類や統計、分析などができるだけではなく、表やグラフまで簡単に作成でき一目瞭然。家計改善に大きく役立つと言う。
厳しいインフレ圧力のなか、高物価に悩む中国の都市住民だが、ITとインターネットを活かし、たくましく生活を成り立たせている。