週刊少年ジャンプで9年近く連載され、テニス漫画の代名詞ともなった「テニスの王子様」(以下テニプリ)。
何を隠そう筆者(27歳・一般男性)はテニプリ始まって以来の大ファンで、原作が最終回を迎えた記念すべき2008年3月3日には、ジャンプ片手に一人でひっそりと「ありがとテニプリ晩酌」をしたものでした。
さて今回は、テニプリのOVA版である「テニスの王子様 Original Video Animation 全国大会篇Final」の製作決定を記念して開催された、「テニスの王子様 100曲マラソン」に、半ば仕事であることを忘れて参加してきましたので、さっそく当日の熱狂と興奮をレポートしていきたいと思います!
「100曲マラソン」とは何ぞや?
まずは簡単に今回のイベントの説明など。
テニプリはテニスを通して成長していく中学生を描いた漫画で、作品内には数多くの学校と個性豊かなキャラが登場します。ここまでなら別の作品でもありうる話ですが、テニプリのすごいところは人気のキャラが歌うキャラクターソング(以下キャラソン)が300曲以上あること。
「嘘だろ」と思った方は、ぜひ一度カラオケで「テニスの王子様」を検索してみてください。たぶんカルチャーショックを受けると思います。
そして、「100曲マラソン」とは、その300曲から選りすぐった100曲を、アニメに出演している人気声優33人が歌い上げるという前代未聞のビッグイベントなのです!
……いやホントに。
普通ならね、イベントでの「前代未聞」って言葉はただの宣伝文句だったりするのですが、今回ばかりは本物の「前代未聞」ですよ。何しろ初めてこの取材のお話をいただいたとき、僕は担当編集の方に「え?」って聞き返しましたからね。「100曲ですか? ゼロひとつ多くないですか?」って間抜けな質問しましたからね。だいたい冷静に考えてみれば、コンサートなのに「マラソン」ってタイトルを付けている時点で、何かが突き抜けているということに気づくべきでした……。
ちなみにチケットは大人気のあまり即完売したそうですが、公演の模様を収録したDVDが6月25日に発売されますので、それまでの予習としてぜひ本記事をご覧いただければと思います。
開演前――高まる期待
当日の天候は快晴。 会場であるパシフィコ横浜は、ポスターやパンフレットといったグッズの販売を目当てに駆けつけたファンで溢れかえり、夜公演の開場時間である17:00のさらに前から長蛇の列ができていました。
僕は17時ちょうどに到着したのですが、そのときにはすでにいくつかのグッズが完売しているという人気っぷり! やはり、テニプリは偉大です。
ちなみに僕もグッズを買おうと試みたのですが、「今から並ぶと開演に間に合わない場合があります」という非情なアナウンスにより断念せざるを得ませんでした。
いよいよ開演!――まずは青学(せいがく)のターン
18時ジャスト。ホールが暗くなり、大歓声の中スタートした「テニスの王子様 100曲マラソン」。
まずは1曲目、出演キャスト33名全員で歌う「future」のイントロで、一気に会場のボルテージが上がり、いきなりの観客総立ち! 最初は歌声をじっくり聴きながらジワジワとテンションを高めていくか、などと考えていた僕ですが、甘かったみたいです。
その後、青学の人気キャラで結成されたユニット、「青酢」「キャップと瓶」が立て続けに登場し、そのままの勢いで青学キャラのソロ曲ラッシュへ突入! やはり主人公である越前リョーマ役の皆川純子さんと、最強の中学生である手塚役の置鮎龍太郎さんの人気は高く、彼(彼女)らの登場が告げられた瞬間には、一際大きな歓声が上がっていました。
そしてもちろん、僕も心の中で歓声を上げていました。なぜ心の中かというと、僕の周りには比較的冷静にコンサートを見守る報道陣の方々ばかりだったからです。
それにしても、コンサートが始まってまず思ったことですが、曲のつなぎが非常にうまい! 途切れることなくアップテンポな曲が続いたかと思えば、一転してムーディーな曲が流れるなど、メリハリの利いた構成で、しかもそれが少しも不自然な流れになっていません。
ぶっちゃけ、テニプリは大好きでもキャラソンはほとんど知らなかった僕ですが、それでも充分に楽しめてしまうのは、声優さんの実力とステージ構成のうまさによるものでしょう。さすが、100曲ぶっ続けで曲を流そうなどという弾けた企画を考えるスタッフの才能は、進行に置いても一味違うものを見せてくれます。
次項、驚天動地のサプライズにちょっと涙目!