車やヘリからロボットにトランスフォーム! ……3DCGを駆使した驚異的な変形アニメーションで世界中を楽しませたマイケル・ベイ監督、スティーヴン・スピルバーグ制作総指揮の映画「トランスフォーマー」。そのゲーム版として2月7日にリリースされたのが、プレイステーション 2/3向けの『トランスフォーマー THE GAME』だ。そして今回登場したのが同タイトルのWii版。ハードなアクションゲームがプラットホームをWiiに移して、どのように生まれ変わっているのか? Wiiリモコンとヌンチャクを組み合わせた独特のアクションを中心に、Wii版『トランスフォーマー THE GAME』の世界をチェックしてみよう。
ロボット格闘!? カーチェイス!? とにかくテンコ盛りの面白さ
「トランスフォーマー THE GAME」は、映画「トランスフォーマー」をベースにしたアクションゲーム。ストーリーは宇宙を守る「オートボット」と悪の金属生命「ディセプティコン」が神秘の力「オールスパーク」を求めて、地球で戦いを繰り広げる。こういった基本的なストーリーは、映画とまったく同じだ。ゲームの舞台やクリア条件も16歳の少年サムを守ったり、基地を壊滅させてアメリカの国家機密データにハッキングを行うなど、映画をすでに観た人なら「ウンウン」とうなづける内容である。となると、映画の鑑賞は必須事項である、なんてことはまったくなく、オープニングやゲームの合間に挿入されるムービーや解説で、キッチリとストーリーは把握できるので、映画をまだ観ていない人でも十分に楽しめるデキとなっている。このあたりは、ゲームをプレイしてから映画を観た筆者がいうのだからまちがいない……。
ゲーム版の内容はというと、多彩な面白さがおもちゃ箱のように詰め込まれている、といった印象だ。ロボット同士による格闘バトルの爽快感、車に変形してのカーチェイスが生み出す緊張感、ひとつの街を自由に動き回れる箱庭的な楽しさ、サブミッションなどを発生させるためのアイテムを街中から見つけ出す宝探し的なワクワク感、こういったファクターがたった1つのソフトで味わえてしまうのだ。要素が多すぎるのは"戸惑い"の原因ともなりかねないが、最初のミッションがチュートリアルを兼ねており、操作方法を学びながらプレイできるので、じっくりとスムーズにゲームの世界に入り込める。ただし、海外で作られた作品ということもあり、難易度は少々高め。日本のゲームでは珍しくなってしまった、「失敗を繰り返すことで攻略法を見出していく」タイプである。好みは分かれるところだが、筆者としては「やり応えバツグン」と、ここも面白い要素として評価したい。
正義か悪か、選ぶのはプレイヤー次第!
ゲームの基本的な流れは、正義の「オートボット」と悪の「ディセプティコン」のどちら側でプレイするかを選ぶところからスタートする。前者ではサム少年を守るなど防衛的なミッションが多くなり、後者は基地の破壊など、さすが悪の金属生命体というミッションが中心になる。今回のレビューでは、「オートボット」側の2つめのミッションを例に、クリアまでの動きを紹介していこう。このミッションは、「ディセプティコン」の追っ手からサム少年を守るというもの。プレイヤーはもちろん、映画でも主人公となる、シボレー・カマロに変形する「バンブルビー」だ。敵は車になっており、サム少年が訪れている中古店を目指している。
まずは、トランスフォームボタンとなるWiiリモコンの十字キーの[上]を押し、カマロに変形して敵を追跡。中古店に到着させないようカーチェイスとなる。これはかなりのスピード感で、ステアリングとなるヌンチャクのコントロールスティックを駆使すれば、ドリフト走行も可能という本格派だ。そして、街を丸ごと再現しているので必ずしも道路を走る必要はない。急斜面に突っ込んで強引にショートカット! なんてダイナミックなプレイもOKだ。これだけでもけっこうな爽快感とスリル感を味わえる。ちなみに、敵の位置や目的地は画面右下のマップに表示されるので、迷うことなく走り回ることができる。
敵にぶつかったり、[B]キーで発射できる"ライトウェポン"によってダメージを与えると、ロボットに変形してプレイヤーに迫ってくる。そうなると今度は、こちらもロボットに戻って格闘バトルだ。ヌンチャクまたはWiiリモコンを左右に振ると格闘攻撃となり、ブンブンと振り回せばジャブ、ジャブ、アッパーと鋭いコンボを決めてくれる。十字キーの[左]がガード。[A]キーで強力な飛び道具の"ヘビーウェポン"となるが、敵にガードされてしまうことが多い。格闘でつぶすのが確実だ。あと、面白いのが、さまざまなオブジェクトを[C]キーでつかんで投げられるところ。街灯だろうが、走っている車だろうが、ポイポイと投げて敵を攻撃できる。Wiiリモコンで視点を動かしながら、思い通りの場所を狙うのは少々難しいが、巨大なオブジェクトを投げるのは快感! ミッションによっては、モノを投げて動きを止めないと格闘攻撃を入れない敵も登場する。的確な「投げ」はマスターしておきたいテクニックとなるのだ。