全国初の"町営醸造"として知られている十勝ワイン(池田町)からは、「第5回国産ワインコンクール銅賞」の「セイオロサム'05(白)」や「清見'03(赤)」が登場した。なお、「清見」とは池田町のオリジナルぶどう品種のこと。
また、かわいらしいデザインのラベルで気になったのが宝水ワイナリー(岩見沢市)。「RICCA」というブランドのワインが並べられている。「RICCAってどういう意味ですか? 」と聞くと、「漢字で書くと"六花"で、六角形である雪の結晶のことを指します」とのこと。なるほど、ラベルデザインはここから来ていたのかと納得。
会場内には、ワイナリーだけではなく食品を扱う企業も出展。さらに、中央にはヒルトン東京が道産食材を使ってつくった料理33品が並べられており、非常に華やかな雰囲気。食品メーカーのブースに目を向けると、北海道ならではのエゾシカを使ったメニューを提供するブースが目立った。フードアトラス(札幌市)は、エゾシカでつくったミートソース「北海道エゾシカのラグー」を用意。このラグーと道産小麦「春よ恋」を使用した生パスタにあわせたメニューが人気を集めていた。また、香彩園(江別市)は、エゾシカのハンバーグやテリーヌを提供。それぞれ特有のクセは抑えられているが、かすかに野性味も感じられ、「ミディアムやフルボディの赤と合わせたい」と再びワインブースへ向かい、ペアリングを楽しんだ。
北海道--。食べること・呑むことが大好きな私にとって、この地は特別である。野菜やフルーツ、魚貝類など様々な食材の宝庫で、「北海道」と聞くだけで何かワクワクしてくる。きっとそれは私だけではないはず。食材自体がおいしく、そのままシンプルに食べただけでもおいしいのだが、この地で育ったぶどうに長期間にわたって人の手が加わったワインは、もっと私たちに"特別"な時間を提供してくれるのではないだろうか。単においしいだけではない。自然豊かな北の大地を思い起こさせ、ゆったりとした気分にさせてくれる北海道産ワインにこれからも注目をしていきたいと感じさせるイベントだった。