Webサービスの流行りといえば"SaaS"。いわゆるASP形式でアプリケーションを提供するサービス形態で、最近ではSaaS型のオフィススイートを使うといったことも珍しくなくなった。そこで今回は、数あるSaaS型サービスの中から、インフォテリア・オンラインが提供する表計算サービス『OnSheet』を紹介しよう。

インフォテリア・オンラインは、XML専業で知られるインフォテリアの100%出資会社で、SaaS専業として昨年10月に設立された。OnSheetのベータ版の提供開始は昨年7月。香港Team and ConceptsのSaaS型表計算「EditGrid」とASTERIA WARPをベースにした連携技術「パイプライン」とを融合させた「Excel並みの使い勝手」のサービスとしてインフォテリアより提供されたが、正式なサービスの開始に伴ってインフォテリア・オンラインに移管された。

図1 「OnSheet」の画面(プレスリリースより)


個人向けは無料で利用OK

サービスの価格体系は、大きく個人向けと法人向けとに分かれる。

個人向けは、ユーザー登録すれば無料で利用できるが、月額300円の「パーソナルプロ」を契約すると、SSL接続が可能となり、法人向けと同様の99.7%可用性保証(SLA)が提供される。まず無料で利用し、必要になったらパーソナルプロを契約して、また無料に戻すといったことも月単位で可能だ(パーソナルプロに関するプレスリリース)。

法人向けは、1ライセンス月額500円からだが、月額と年額でライセンス数に応じた体系が用意されており、ライセンス数が多くなると価格が割り引かれるようになっている。

そして、オプションで「OnSheet Pipeline」というデータ連携サービスも提供される。これにより、GUI画面を操作するだけで、データベースやネットワークからデータを取り込んで表を更新するといった業務ロジックを構築できる(パイプライン アクション詳細参照)。体験サイトで操作を体験してみてもよいだろう。

また、特にデータセンターやISVなどのために、オープン価格で「一括利用料方式」も用意されている。

図2 「OnSheet Pipeline」(体験サイトより)


OnSheetの使用条件と対応フォーマット

OnSheetは、以下に示すように幅広いプラットフォームとフォーマットに対応している。ベータ版ながらiPhone/iPod touchに対応していることや、独自方式でXSLTによりRSSなどに変換可能なのが特徴的だ。

  • 対応するWebブラウザ

    • Internet Explorer 6/7、Firefox1/2、Opera9、Safari(ただしOpera、Safariと一部バージョンのIE、Firefoxはパイプライン未対応)
    • iPhone/iPod touch(ベータ版)
  • 入力フォーマット

    • Excel(xls)、OpenDocument 1.0(ods)、OpenOffice Calc 1.x(sxc)、
    • Gnumeric、Lotus 1-2-3、CSV
  • 出力フォーマット

    • Lotus 1-2-3を除く上記フォーマット、およびHTML、PDF、TeX、
    • OnSheet XML(XSLTで変換可能な独自形式)

公開済みの人気データにアクセスしてみる

どんな表計算サービスなのかを概観するには、公開されているデータを見ればよい(OnSheetのトップページ下部<公開シート/テンプレートランキング>タブをクリック)。公開シート/テンプレートランキング(図3)では、参照された数の多い順に5位まで表示されるので、それらをクリックするとシートを表示できる(図4)。

図3 公開シート/テンプレートランキング

図4 公開済みシートの例(orangeのかけいぼ帳)