仲里依紗は現場のムードメーカー?

――監督と仲さんは歳も近く、撮影も順調に進んだようですが、撮影中にお互いの事で印象に残っているエピソードなどはありますか?

「私、北海道のロケ先で毎晩のように金縛りに遭ってたんですけど(笑)、金縛り状態の時、監督が私の寝ている部屋に入って来たんです。『え~っ! マジで?』とか思ってバッと起きたら朝で、それは夢だったんです(笑)」

小泉「何だよそれ(笑)。夢じゃなきゃ洒落になんないよ。僕は撮影中の仲さんの元気な姿が印象に残っていますね。クライマックスの自転車のシーンで、かなり長い距離を何度も走ってもらったんです。体力的にキツイはずなのに、仲さんは踊りながらこっちまで戻ってくる。本当にいつも元気で天真爛漫な子だなあと感心してました」

「超元気なんで(笑)。いつも歌うか、踊るかしてます」

『ガチ☆ボーイ』のココを見て!

――そうやって元気に撮影された作品ですが、仲さんは『ガチ☆ボーイ』のどんな所をみなさんに観て欲しいですか?

「茜の兄が本当に楽しそうにプロレスをしている姿と、家での暗い姿のギャップは、私も映画を観ていて泣きそうになりました。自分が出演している部分では、茜が兄のためにひと夏、本当に頑張った姿を観て欲しいですね。もし、自分に兄がいても茜みたいにあそこまでは頑張れない。私じゃ『え~、無理!』って感じです(笑)。この映画の茜は本当に良い子です。そこを、観てほしいです!」

(c)2008 フジテレビジョン/ROBOT/東宝

――仲さんはこれから女優としてどういった活動をしていきたいと考えていますか?

「実は、先日まで中国でドラマの撮影をしていたんですけど、自分よりかなり年上の大人の女性の役を頂く機会が多いので、今年は大人になる準備をしたいですね。色々な映画やドラマを観て、色々な役者さんの良い部分を盗みたいです。今の19歳の私の感覚だけでは、これから良いお芝居ができないと思うので、とにかく勉強して成長していきたいです」

――最後に小泉監督と仲さんとから、『ガチ☆ボーイ』についてひと言お願いします

小泉「重いテーマをリアルに描きつつ、エンタテインメント性を失わないというのが難しかったですが、意義あるエンタテインメントが出来たと思っています。学生プロレスはあくまで目的ではなく、物語を伝えるための手段なので、学生プロレスに興味のない女性の方にも、劇場に足を運んで観てほしいですね」

「笑って泣いて、色々考えて、でも最後にはまた笑って劇場から帰ってほしいです(笑)」

若い小泉監督と、彼を信頼して茜を演じきった仲。『ガチ☆ボーイ』の劇中で描かれる、五十嵐と仲間や家族の絆同様、監督と出演者の間にも確かな暖かい絆のような何かが感じられた。小泉徳宏監督と女優・仲里依紗のそれぞれの今後の飛躍に期待したい。

〆はやっぱりファイティング・ポーズで

PROFILE

小泉徳宏

1980年生まれ。学生時代は様々な自主映画を制作。2003年、株式会社ロボットに入社。同社の作品の企画立案や助監督を務める。『タイヨウのうた』(2006)で劇場長編映画デビュー。いきなり興行収入10億円を突破するヒット作となる。本作は2作目の監督作品。

仲里依紗

1989年10月18日生まれ 長崎県出身。モデルとしてデビュー後はテレビ、映画、CFなど幅広い分野で活躍中。アニメ『時をかける少女』(2006)では主役の紺野真琴の声を担当。映画『ちーちゃんは悠久の向こう』(公開中)では初の主役を演じている。最新作『純喫茶磯辺』(7月公開予定)でもヒロインを務める。現在、ドラマ『貧乏男子 ボンビーメン』(日本テレビ系)に出演中

『ガチ☆ボーイ』は3月1日、全国東宝系ロードショー
(c)2008 フジテレビジョン/ROBOT/東宝

インタビュー撮影・保坂洋也