MacBook Airと比較
まず、両機の主な仕様は以下の通りだ。
ThinkPad X300 | MacBoook Air | |
---|---|---|
CPU | Core 2 Duo SL7100(1.2GHz) | Core 2 Duoシリーズ(1.6GHz or 1.8GHz) ※SL系と推定 |
ディスプレイ | 13.3インチ液晶ディスプレイ(LEDバックライト) | |
液晶解像度 | 1440×900ドット(WXGA+) | 1280×800ドット(WXGA) |
GPU | Intel X3100 | |
記憶装置 | 1.8インチ(SSD) | 1.8インチ(SSD or HDD) |
光学ドライブ | DVDマルチバーナー | 無し |
内蔵カメラ | 有り | 有り |
本体サイズ | 318(W)×231(D)×18.6~23.4(H)mm | 325(W)×227(D)×4~19.4(H)mm |
重量 | 1.42kg/1.33kg(光学ドライブの有/無) | 1.36kg(公開値、構成による) |
主なインタフェース | 有線LAN、無線LAN、Bluetooth、USB×3、指紋認証 | 無線LAN、Bluetooth、USB×1 |
流石に薄さではMacBook Airに大きく敵わず、ただ底面積や重量に関してはほぼ互角。しかしX300は、解像度で勝っていたり、USBなどインタフェース類が充実していたり、なによりバッテリーが自分で交換できたり、しかもキーボードや各種ドライブ、メモリの換装まで簡単にできるといったThinkPadの美点はそのまま。少なくとも、モバイルでもメインマシンばりにバリバリ仕事したいといった用途には、X300がよりベターな感じである。
MacBook Airに"ピン"と来たけど、購入には踏み切れなかったような人にも、選択肢のひとつとして受け入れられるのではないだろうか。ユーザーの選択肢として、モバイルノートのコンセプトの"頂"が、新たにひとつ増えたと考えたならば、手放しで喜びたいところだ。
中身も凄いぞ
続いてはThinkPad X300の分解モデル。まず驚くのはコンパクトすぎるほどのメイン基板だ。SFF(Small Form Factor)とHDI(High Density InterConnect)技術を駆使した高密度実装により、ThinkPad T61と比較して基板面積で約50%、同重量で約60%を達成している。
ThinkPadの堅牢性を支えるThinkPad Roll Cageもこれまでと大きく変更されている。まずはマグネシウムのベースカバーがあり、そこにキーボード・ベゼルと一体化されたマグネシウムのRoll Cageが被さり、内部の重要部品を包むようにガードする。実際にX300の本体真ん中あたりを指で押してみたり、また本体の端あたりを持って軽く振り回してみたりしても、へこんだりたわんだりといったことにはならなかった。非常に薄くなったX300だが、同社によれば、堅牢性はむしろX61やT61よりも高いくらいなのだそうだ。
唯一の問題はおサイフ具合!?
物欲を刺激して仕方ないThinkPad X300ではあるが、問題はそのお値段である。一般的な構成のThinkPad X61なら2台は買えてしまう。なんというか、優秀なデキるビジネスパーソン(?)にとっては道具の値段なんて問題じゃないのかもしれないが、例えば筆者のような、十分に使い倒せないのに物欲のみでThinkPadを購入し続けているような人間には、ちょっと厳しい価格帯なのである……。
発表済みのラインナップでは高価な1.8インチSSD/64GBのモデルしかないが、これに安価な1.8インチのHDDモデルなどを用意すれば、もう少し手を出しやすくなりそうなものである(しかも、X300にはHDD用の「アクティブプロテクション」が入っているそうだ。SSD搭載時には自動でOFFになっているが、HDD使用時には機能が働く)。ただ、1.8インチHDDだとパフォーマンスが大きく犠牲になってしまうわけで、それはX300のコンセプトには合致しないということなのかもしれない。
しかし、SSDが安くなった頃に換装してパワーアップするなんてことができるのも、ドライブ交換ですらユーザーの手で簡単に実施できるThinkPadならではの醍醐味。本日発表されたシンプルなラインナップは、同製品のプレミア感の演出にも一役買っているのかもしれないが、個人的には、ラインナップの拡充を前向きに検討していただけると非常に嬉しかったりする。