ベンチマーク環境

今回は新旧ミドルレンジ対決が主軸になるが、先日リリースされた「GeForce 8800 GS」との性能差も気になるところだ。そこで、8600 GTSを搭載したAOpen「Aeolus F86GTS-WDC256X」および8800 GSを搭載したXFX「PV-T88P-FDD」を用意し、GeForce 9600 GTを搭載したリファレンスボードと対決させた。なお、PV-T88P-FDDはコア680MHz/メモリ1600MHzにオーバークロックされたモデルであることに注意されたい。

CPU Core 2 Duo E6850 (3GHz)
Motherboard GIGABYTE GA-X38-DQ6 (X38)
Memory Corsair TWIN2X2048-8500C5(1GB×2)、DDR2 1066で動作
HDD Seagate Barracuda 7200.10 500GB SATA (ST3500630AS)
OS Windows Vista Ultimate 日本語版

ForceWareのバージョンは「9600 GT」が174.12、「8800 GS」が169.32、「8600 GTS」が同169.25を使用した。ちょっと統一感のない構成になってしまったが、そのあたりは、正式リリース前だったということでご容赦願いたい。

「3DMark06」 - 圧倒的なパフォーマンスを見せつける

最初は定番の「3DMark06」からいってみよう。解像度は1280×1024から3段階用意し、設定をデフォルトのままにした「標準設定」、および3DMark06上でFSAA4Xと異方性フィルタリング16Xを設定した「高負荷設定」の2つでテストしている。

まずは8600 GTSとのわかりやすい性能差に驚くが、ストリーミングプロセッサ数やメモリバス幅の強化を考えれば、ほぼダブルスコアに近いと結果は明快で納得のいくものだ。それよりも8800 GSにかなり近いスコアを出しているどころか、高負荷設定になるとむしろ9600 GTの方が速いことに驚く。ストリーミングプロセッサ数は、9600 GTが64基であるのに対し、8800 GSは96基。しかも8800 GSがオーバークロック版であることを考えれば、にわかには信じがたい結果であるが、8800 GSはメモリバス幅が狭く、メモリ搭載量も少ないということが、強烈なボトルネックになっているようだ。512MB/256bitメモリという8800 GTと同じ仕様にした判断には素直に賞賛の声を贈りたい。

「Crysis」 - スコアは上々だが実際のプレイはやや足らず

「Crysis」の製品版を使ったテストでは、最新版1.1にアップデートした環境を用意した。設定は画質の全設定を「高」にしたものを「標準設定」に、Crisys側でアンチエイリアス「4X」を追加したものを「高負荷設定」としている。ハイエンドのGeForce 8800 GTXでさえ「高」設定はキツいゲームだけに、少々過酷すぎるテストだが果たしてどうなるか……。

このテストの傾向は3DMark06とまったく同じだ。負荷が軽めの条件ではストリーミングプロセッサ数で勝る8800 GSに僅差で負けるが、負荷が増すと9600 GTが逆転する。ただ64基というストリーミングプロセッサ数はCrysisにとっては非力すぎるようで、高負荷状態でのまともなプレイは難しい。実際にはアンチエイリアスを使わず、画質設定「中」で快適に遊ぶための製品といえる。