マウスの左側面には3つのボタンがある。銀色の2つのボタンと、その前方にあるボディと同じ黒色の目立たないボタンだ。銀色のボタンは一般のインターネット用マウスのように、ブラウザの[進む]、[戻る]に設定されている。しかしここにはゲーム用にさまざまな役割を登録できる。射撃ゲームでは弾薬の補充やドア開閉などの行動、ボイスチャットのトークボタンとして使うと便利だ。また、オンラインRPGでは薬草などの消耗品を買うなど、反復する操作に割り当ててもいい。
2つの銀色のボタンは付属のユーティリティソフトを使うと、複数のキー操作を登録するなど詳細な設定が行える。これは一般の多ボタンマウスでも同様だが、Microsoft SideWinderの長所は、ユーティリティソフトを使わずに、ゲームプレイに登録もできる点だ。その操作に必要なボタンが前述の黒いボタンである。銀色のボタンにマクロを登録する場合は、まず黒いボタンを押し、次に割り当てたいボタンを押す。そして、登録したいキーを実際に押していき、操作が終わったら黒いボタンをもう1度押す。これで登録完了だ。次からは登録したボタンを押すだけで一連の操作が実行できる。いったんゲームを終了しなくても、ゲームの場面に応じてマクロを変更できるとは画期的である。願わくはマウス自体の移動量も記録してほしかった。今後の改良に期待したい。
プロ仕様のボディ形状
ボディは前方が低く、中央よりやや後ろが高くなって、包む、つまむ、両方の持ち方ができた。左右のクリックボタンはボディ一体となっていて、手前は解像度切り替えボタンのあたりからクリックを認識してくれる。てこの原理によって、クリックに必要な力はクリックボタンの前方にいくほど小さくて済む。したがって、手首を上げてマウス全体を覆うように持つ場合はマウスの動きもクリックも軽くなる。短時間で繊細な操作を要求する射撃ゲームに適している。また、手首を接地させてマウスを親指と薬指でつまむような持ち方も可能だ。こちらはクリック感がしっかり感じられるし、手首を接地しているので腕が疲れにくい。したがって、長時間の操作を行うオンラインRPGに適している。
左右非対称で右手用のボディとなっており、特に形状面で工夫されている部分は右側面だ。クリックボタンに人さし指と中指を置いた場合、薬指がちゃんと引っかかる。これがマウスを後退させるときの正確な動作に役立っている。ちなみに海外のプロゲーマーにはスクロールボタンに中指を置き、右クリックボタンに薬指を置く選手がいる。どのボタンにも専用の指を置くわけだ。この場合はSideWinder Mouseの右側面は小指を乗せられる。マウスを後退させるときは小指がきちんと保持してくれるのだ。
カスタマイズできる要素の多いMicrosoft SideWinder Mouseは、ゲームの環境や道具にこだわるユーザーにとって楽しい製品だ。赤いイルミネーションや戦闘的なボディデザインも所有欲を満たしてくれる。ゲーム用デバイスとして究極のデザインである。さすがに振動機能はないけれど、これはまさしく、SideWinderというブランドに相応しいマウスだ。