既報の通りKDDIは、au携帯電話の春モデル10機種を発表した。発売が遅れていた冬モデル3機種を含め、2月から順次発売していく。春モデルでは、新たな携帯電話の使い方としてスポーツと携帯電話の組み合わせやワイヤレスミュージックを提案しつつ、KDDIでは「auの庭」というメッセージとともに携帯電話のさまざまな活用方法を提案する「プラットフォーマー」(コンシューマ事業統轄本部長・高橋誠氏)へと発展していきたい考えだ。

今回auでは、共通プラットフォーム「KCP+」を採用したハイエンド端末の新モデルとして「W61SA」「W61T」「W61S」の3機種を追加。発表済みの「W56T」「W54S」「W54SA」を加えて6機種のKCP+対応端末を投入する。うち4機種に有機ELディスプレイを搭載、2機種にワイドVGA液晶を搭載しており、映像機能を強化した。

新機種を持つ小野寺正社長(左)

Bluetoothでワイヤレスミュージックを

KCP+の特徴のひとつが、Bluetoothを標準搭載した点だ。auは広範な機種へのBluetooth対応が遅れていたが、これに対して高橋氏は、「Bluetoothがなかなか世の中に浸透していかない。(Bluetoothを)広めるための言葉が欠けていた。どういう言葉なら(Bluetoothの良さや使い方が)伝わるか」と指摘したうえで、「ワイヤレスミュージック(という言葉)なら心に響く、非常に分かりやすいワード」だとして、Bluetoothを使ってワイヤレスで音楽を聴く、というスタイルを提案する。

Bluetoothを使うことでワイヤレスに音楽を楽しめる

現在、Bluetoothを使った「ワイヤレスミュージック」自体は決して珍しいわけではないが、携帯電話事業者として積極的に推進していくことで、Bluetoothによるワイヤレスの利便性を広めていきたい考えだ。

もともとauは、EZ「着うた」、EZ「着うたフル」に始まり、ケータイ・PC連携の音楽配信サービス「LISMO」で「音楽といえばau」というイメージを構築してきた。昨年はソニーと協業し、EZ「着うたフル」をウォークマンやネットジュークでも聴くことができるように連携を進めており、今回はさらに日本ビクターの圧縮音源の高音質化技術「netK2」を初めて携帯電話に搭載。ワイヤレスミュージックを推進することで、auといえば音楽というイメージをさらに強固にする狙いがある。

音楽を聴きながらケータイでジョギング管理

ワイヤレスミュージックのさらなる活用法として提案するのがスポーツだ。今回はジョギングとウォーキングをしながら音楽をワイヤレスで聴くという利用を推進するために、新たなサービス「au Smart Sports」を立ち上げる。これは、専用アプリを使ってジョギングコースやペース配分などを設定、それにもとづいてジョギングをすると消費カロリーや走行距離といった情報が記録され、最終的にその成果が確認できる、というもの。

au Smart Sports

PC用サイトも構築し、コースの登録などはPCからも行えるほか、アプリから走行データをアップロードしてPCでチェックすることも可能だ。コースはau側がお勧めのルートを提案してくれるほか、スポーツ界の著名人(第1回目は谷川真理さん)などが走り方を指南してくれるなどのサービスも提供。さらに音楽との連携として音楽配信のmoraなど6サイトがジョギングなどに適した音楽を集めたプレイリストを提供するサービスも行う。

アプリで走行したルートを再現しているところ。ルート、走行距離、高度などはGPSログから算出される

走行中の画面

現在のペースと速度なども表示できる。設定したペースを外れるとヘッドセットから警告音が鳴るような設定も可能

PCでの画面

走行結果を統計データで見られる。今後、仲間の記録も確認できるような仕組みも導入していく予定

マラソン大会のデータもそろっている

専用アプリから音楽プレイヤーアプリを起動し、特にワイヤレスで音楽を聴きながらスポーツをすることが提案されているほか、ファッションブランドとのコラボレーション企画「mobile fashion」で協業しているbasjackやJOURNAL STANDARD、IENAがそれぞれワイヤレスヘッドセットとケータイケースをデザイン。オシャレにスポーツをする、というスタイルも提案する。