3Gケータイの中にも、細かなバージョンの違いで、国際ローミングが利用できない機種がある。また、auのWINシリーズは全てが国際ローミング非対応だ。このような時は、レンタル端末を利用したい。3Gケータイは、端末の中にUSIMカードと呼ばれるチップを内蔵している。FOMAでは「FOMAカード」、ソフトバンク3Gでは「USIMカード」、WINシリーズ(一部を除く)では「au ICカード」という名称だ。

電話番号などの情報は、すべてこのカードに格納されており、挿し替えるだけで"機種変更"したことになる。海外での利用時も仕組みは同じ。国際ローミング用にレンタルした端末に、このUSIMカードを挿すだけでOKだ。

3Gケータイに内蔵されているUSIMカード。写真はFOMAに利用される「FOMAカード」だ(実際に挿入するのは切り欠きの内側部分)。このカードをローミングに対応した機種に挿し替えるだけで、海外での利用が可能になる

なお、auの場合、GSMケータイにau ICカードを挿せば、CDMA2000 1xのGLOBAL PASSPORTよりも広いエリアで利用できる。GSMの方が対応エリアも約180国・地域と多い。auユーザーは自端末ローミングにこだわらず、レンタル端末を積極的に利用したい。

auのGLOBAL EXPERTによる国際ローミング対応国
http://www.au.kddi.com/kaigai/ge/world_area/

手続きも簡単だ。ドコモやauはケータイやPC向けWebサイトから申し込めるほか、電話やショップでも予約を受け付けている。ソフトバンクはPC向けWebサイトから予約するか、ファックスでの申し込みが必要だ。各社とも空港のカウンターに在庫を用意しているが、在庫切れの場合もあるため、事前の申し込みは忘れないようにしたい。

3社の端末レンタルの流れは以下のサイトを参照しよう。

各社の端末レンタルサービス
ドコモ http://www.nttdocomo.co.jp/service/world/roaming/flow/rental/
au http://www.au.kddi.com/kaigai/ge/maker_rental/
ソフトバンク http://www.softbank-rental.jp/

同様に、2Gケータイを使っている場合も端末のレンタルが必要だ。ただし、ソフトバンクは、日本で利用しているのとは別の電話番号になってしまう。また、auは、au ICカード非対応機種へのレンタルを行っていない。国際ローミングが必要なユーザーは、最新機種への変更を考えるべきだ。

場合によっては"現地調達"もアリ

万が一申し込みを忘れてしまい、ケータイがレンタルできなかった時は、現地で端末を購入するという"最終手段"も残されている。USIMカードは国際共通規格のため、海外で売られている端末に日本のカードを挿すことも可能だからだ。

海外で売られているということは、当然、現地の通信方式に対応している。携帯電話事業者が端末を売っている日本とは異なり、海外では端末にSIMロックがかかっていないことがほとんど。つまり、好きな端末に、好きな事業者のUSIMカードを挿して利用できるのだ。日本と比べ、端末の価格は若干割高になるが、通話だけと割り切れば、それなりの価格の機種も見つかるはずだ。うっかり国際ローミングのことを忘れてしまったという際は、この方法を思い出すとよいだろう。

海外で売られている端末に日本のUSIMカードを挿すこともできる。写真の海外端末「W880i」(Sony Ericsson)のような最新の3G機種は高価だが、GSMのみのシンプルな機種は、お手軽な価格となっている