YouTubeで人気度を競う
では、EX-S880の動画以外の面白い機能も見て行こう。まず、静止画のアフレコ機能はなかなかユニーク。デモやプレゼンテーション、あるいは操作方法といったシーンを写真撮影した後にその担当者に画像を見せながら解説してもらってアフレコで収録しておくと便利だ。
また、遊び仲間やスタッフと共同で何かする場合に重要なのがデータのやり取り。たとえば撮影した写真をすべて写真コミュニティサイトの「Flickr」にアップしておけば高解像度の画像をスタッフ同士で共有できるが、動画ならYouTubeを利用してこれと同じことをするという方法もある。
この他にもベストショット(BS)ボタンを押すと生活や仕事に便利な機能が表示される。例えば先ほども述べたボイスレコーダー機能。記者やライターは仕事柄専用のものを持ち歩くケースが多いが、バッテリ残量がなくなってしまった場合の緊急のバックアップとして使える。もちろん、メインのレコーダーとして使用してもOKだ。また、名刺を写すモードも非常に便利。名刺の整理や保管が苦手な人は、文字撮影機能や名刺撮影モードを使用してパソコンにデータとして保存しておくといだろう。マクロ機能でクッキリと撮影可能で、影時の歪みも自動補正してくれる。
EX-S880のボイスレコーダー機能を使えば、専用ボイスレコーダーのバックアップができる。撮影モードから「BS」ボタンを押し、ボイスレコードを選択。シャッターを押すと音声のみの録音が開始される。ボイスレコーダーを忘れたときなど、もしもの場合にこれを覚えておくと重宝する。名刺モードも結構便利だ |
大学の先生やマーケティング担当者などによくある行動が「突然黒板、突然ホワイトボード」だ。ボイスレコーダーで質疑応答しているとき突然黒板やホワイトボードにチャートや概念図を書き出すことがある。こんな場合もにも慌てずに「ホワイトボード撮影モード」や動画機能で対応するとよい。とりわけ突然「技」を繰り出すタイプの場合は「技」が出る瞬間を逃さないパストムービー機能(ボタンを押す数秒前から撮影する)が有効だろう。
EX-S880にはパソコンと連携して使える便利な機能も備わっている。その一つがデータキャリング機能だ。これはDATA TRANSPORTというドライバをインストールすることで、印刷する感覚でクレードルに接続したEX-S880に書類を画像データとして転送するもの。ちょっとした資料などを画像化してデジタルカメラに記録しておき、必要なときに閲覧すると便利だ。液晶画面の解像度が高く、かなり画像を拡大できるので、細かいグラフや表などでも全く問題ない。携帯電話に撮影して保存するよりも何倍も使い勝手がよい。
データキャリング機能を提供する「DATA TRANSPORT」はWindowsだけでなくMac OS Xにも対応している |
プリンタドライバとして「CASIO DATA TRANSPORT」を選択するだけなので難しい操作は必要ない |
以上ざっと取材で使える便利な機能を中心に紹介したが、EX-S880のもっとも頼もしい点は、動画も写真もきれいで失敗が少なく手軽に撮影できるところ。迷うことなく、ただシャッターを押すだけできれいに撮れる。とにかくあらゆる用途で楽しめるカメラで、仕事でもプライベートでも、一番助かるのはこういう製品である。特にYouTubeへの投稿はこれをきっかけにかなりはまるのではないだろうか。