『フライトシミュレータ X:栄光の翼』(価格:6,090円)

PCゲームの世界において、"フライトシム"、すなわち"フライトシミュレータ"の歴史は非常に長い。今ではすっかりFPS系に主役を奪われた感もあるが、確固たる1ジャンルを築いていることは疑いようのない事実である。さて、フライトシムと一口に言っても、軍用機を題材にしたミッションクリア、または対戦主体のタイトルから、実際の航空機の挙動の再現にこだわったタイトルまでさまざま。そして、後者の中でも特にリアリティを追求したのがマイクロソフトの『フライト シミュレータ X(テン)』(以下、FSX)だ。ルーツを遡れば、8ビットパソコンの時代に到達できるほど由緒正しいシリーズの最新作。そして、そのFSXの初の公式拡張パック『フライト シミュレータ X:栄光の翼』(以下、栄光の翼)が12月14日に発売された。そこで今回は、拡張パックである『栄光の翼』の紹介をしつつ、フライトシムを堪能するためのノウハウを紹介してみたい。

純粋に飛ぶことを楽しめ!

軍用機を題材にしたフライトシムなら、ミッションクリアに挑むとか、さらに撃墜王を目指すといった楽しみ方がある。家庭用ゲーム機で有名な「エースコンバット」シリーズはかなりライトな味付けだが、この延長線上にあるゲームといってよいだろう。だがFSXのようなリアル系フライトシムは、とにかく実機のように航空機を飛ばすことが最大の目的となる。航空機の操縦は車に較べれば段違いに覚えることが難しいので、基礎を知らないと離陸すらままならないかもしれない。だが、そのハードルを超え自由に飛べた時の爽快感は格別だ!

FSXの場合、ただ飛ばすことに飽きたら、計器のみで飛んでみるのもよし。航空無線を使いこなしながら実際の都市から都市へとフライトするのもよし。FSXは実際の地形をかなり忠実に再現できるだけに、その気になれば成田からアメリカ西海岸までの実際の航路を、FSX上で体験することも不可能ではないのだ。最初はメーターひとつマトモに読めないかもしれない。しかし、ハマれば計器のそばのボタンの意味までも考えつつ遊べるようになる。普通の3Dゲームのように門戸は広くないが、ハマれる深さがとんでもなく深い。これがFSXの最大の魅力だろう。

チュートリアルは"ミッション"から選択できる。離陸から着陸までをナレーション入りで解説してくれるので初心者でも安心。面倒ならトばしてもいいし、完璧にできるまで挑戦し続けてもよい

自分の好きな機体が飛んでいるさまを眺めてハァハァするのも楽しさの1つ。上空に上がったら視点を外部視点に切り換え、舐め回すように四方八方から眺めまくろう

単純に空に上がるだけならチュートリアルの最初で乗る"ウルトラライトプレーン"が一番扱いやすい。足が遅いので観光には不向きだが、フワフワと空中を散歩する感覚が味わえる

それでは引き続き、拡張パック『栄光の翼』をチェックしてみよう